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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

みんなで応援!「やんばる」を世界自然遺産へ!【やんばる地域】

2017年10月25日
やんばる アクティブレンジャー上開地

こんにちは。

やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。

やんばる野生生物保護センターでは10月1日から秋の渡り鳥であるサシバの「チンミー♪」の声が聞こえ始め、秋のセミ達もクロイワツクツクとオオシマゼミの大合唱で賑わっています。

そんなセンターの入り口には今、こんな"のぼり"が掲げられています。

センター前ののぼり 

 

この"のぼり"は、世界自然遺産登録をみんなで応援するために、やんばる3村世界自然遺産推進協議会が作成し、協賛していただいた個人や団体、企業が揚げているのぼりです。

やんばるのあちこちで、はためいています。

先日、国頭村の学童「ゆっくいな」のみんなで"世界自然遺産のぼり"掲揚式をおこないました。

保護官の説明 

▲まずは保護官から子ども達へ、世界自然遺産についてのお話。

 

世界遺産対策室からの説明

 

▲国頭村役場世界遺産対策室の仲原さんから、のぼりに込められた意味を説明。

のぼり設置

▲その後、道から見えるように「ゆっくいな」のガードレールに取り付けます。

 

集合写真

▲みんなで集合写真

 

ステッカープレゼント

掲揚式の後は、のぼりとおそろいのマークのステッカーをプレゼントしました。

やんばる3村の形と森をモチーフにしたマークです。よく見ると「YAMBARU」の文字の上にヤンバルクイナが乗っています。

私たちは、奄美大島・徳之島・沖縄島北部(やんばる)・西表島の4地域で1つの世界遺産を目指しています。

http://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/shizen/sekaishizenisan/(沖縄県HP)

https://www.pref.kagoshima.jp/ad13/kurashi-kankyo/kankyo/amami/amami-isan.html(鹿児島県HP)

なぜこの4地域で1つの世界自然遺産なのかというと、評価のポイントは2つです。

  1. 琉球列島が大陸から分離し、島が成立している地史を反映した独自の生物進化がみられること。

  2. 国際的にも希少な固有種に代表される生物多様性保全上重要な地域であること。

科学的な評価のポイントはこの2つですが、遺産登録のために一番大切な事は、地域の方々が自然を大切にし、民間と行政が協力して保全に取り組んでいる事です。

ただ保護するだけでなく、自然環境について知るために実際に森に出かけ、楽しみながら観察する事も、自然を大事に想う人の輪を広げる、大切な取り組みの1つです。

適切なルールの元にエコツアーなどを利用して沢山の人にやんばるの魅力を知ってもらいたいです。

やんばるの森と人の住む集落はすぐそばにあり、自然の恵みを受けながら共存・共生してきました。"のぼり"を一緒に揚げてくれた「ゆっくいな」のみんなも、やんばるの生き物が大好きです。

現在は車道が通り、飛行機を使えば世界中からやんばるを訪れる事ができ、時代に合わせた保全の取り組みが必要になってきています。私も地域の方々と一緒に活動出来るようにお手伝いしていきたいと思います。

今月の一枚「オキナワミナミサワガニのお母さん」 

オキナワミナミサワガニのお母さん

カニなどの甲殻類の多くは小さな卵を大量に産んで海に放卵しますが、サワガニの仲間は海に下りずに大きな卵を少なく産み、子ガニになるまで大切に抱きかかえます。

秋になるとお腹の重そうな母ガニを見ることが出来ますが、夜の林道で轢かれてしまう姿もよく見ます。

昼も夜も、生き物に気を付けながら車の運転をよろしくお願いします。