アクティブ・レンジャー日記
よくある質問Q&A【Q.山に携帯トイレを持って行った方が良いですか?】
2017年09月19日A.年間を通じてよくいただく質問です。
屋久島では携帯トイレ使用のご協力をお願いいたしております。
山にし尿を残さないこと、山岳部トイレの維持管理で人力でのし尿搬出作業の軽減となること、山岳部トイレの待ち時間が軽減されること、などの観点から携帯トイレの利用推進を行っております。
携帯トイレの認知度は年々増えてきており、ガイドブックにも掲載されるようになったほか、お問い合わせ件数も増えてきたことを実感します。
登山の当日は出発前に宿泊所にてトイレを済ませていただくことはもちろんですが、携帯トイレを登山の「お守り」として携行することをおすすめいたします。
もしそのお守りを使わなくても、数年間の品質保持期限をもつ携帯トイレはそのまま防災グッズになります。ご自宅や勤務先などで保管してください。
★携帯トイレの携行を特におすすめする人気のトレッキングコース
・縄文杉トレッキング
最短往復コースでも約22kmと長いコース。トロッコ道と言われる森林軌道沿いには既存のトイレが2か所ございますが、未舗装で本格的な登山道が始まる大株歩道入り口から縄文杉までの時間にして往復約4時間はトイレがございません。途中の3か所の休憩スペース、翁杉、大王杉下水場、大王杉上の3点に携帯トイレブースが設置されています。どちらもお昼休憩をとる方が多い休憩スペースから少しだけ離れたところにございます。
・宮之浦岳、黒味岳など。
宮之浦岳は往復18km、登山口と登山口近くの淀川小屋にはトイレがございますが、往復の間の約16km、時間にして7、8時間の区間についてはトイレが無く、携帯トイレブースが2か所のみございます。
特に山頂近くでお昼休憩をとったあと、帰りにトイレに行きたくなるケースがございます。そのようなときは翁岳(1基)または花之江河携帯トイレブース(2基)をご利用いただけます。
距離も長く、標準コースタイムも往復で10時間以上と長いので、携帯トイレがあると心強いですね。
・太忠岳、ヤクスギランド1周150分コース
ヤクスギランドの一番長い150分コースのちょうど半分に当たる蛇紋杉の手前に携帯トイレブースがございます。空高く巨岩がそびえる山頂が魅力の太忠岳は、ヤクスギランドの携帯トイレブースから奥の登山道を歩きますが、ここから往復約5kmの道のり、時間にして約4時間はトイレがございません。
・白谷雲水峡
苔むす森や太鼓岩で人気の白谷雲水峡は登山口から1時間半ほど歩いたところの山小屋内に既存のトイレがございます。小屋の近くには携帯トイレブースもございます。しかしながら既存トイレの利用者数の多さから、人力でのし尿搬出量が多い場所です。維持管理の負荷軽減のためにもぜひ携帯トイレのご利用にご協力ください。
各登山口には使用済み携帯トイレ専用の回収箱が設置されております。
よくある質問Q&A【Q.携帯トイレはどこで買えますか?】
A.屋久島の中では、ホテルの売店や主要なお土産店、登山用品レンタル店などで携帯トイレを購入できます。トレッキングの前日までにはそろえておきたいですね。
また、お住まいのエリアのお近くの登山用品専門店や通販サイトで購入することができます。
メーカーや入り数により異なりますが、お値段は500円から1000円ほど。重さも100gを切るものからございます。
登山のお守りに1人1個、ご用意ください。
※注意※
登山中にトイレにいくことを我慢して、行動中の水分補給を控えた場合、脱水症状が起こる可能性があります。足がつる症状や、頭痛や意識がもうろうとするなど、場合によっては自力下山ができないほどの状態になる危険がございます。
下山するまで便意を我慢して、トイレのことしか考えず山の景色を楽しめない、というのも悲しいですね。
安全面や、楽しいご旅行のためにも決して水分補給やトイレに行くことは我慢しないでください。
また、利尿作用の高いコーヒーや緑茶の飲みすぎはトイレに行きたくなる元となりますので過度な摂取はおすすめできません。山で飲むコーヒーは美味しいですが、適度に飲むのがスマートです。ホテルの朝食バイキングなどでもコーヒーや紅茶をお代わりしてしまいたくなりますが、山に登る前なら控えましょう。
中には朝の体調がよくないと感じつつも無理して登山してしまう方もいらっしゃるようです。健康状態によっては登山を中止する、またはコースを短めに変更するなど、無理のないご計画を。
★★★山のトイレのポイントまとめ★★★
●携帯トイレをしっかりと準備する
●出発前にトイレは済ませておく
●適度な水分補給をする
●トイレに行きたいときは我慢をしない
●体調不良時には無理をしない
携帯トイレをスマートに利用し、快適な登山を楽しみましょう!