アクティブ・レンジャー日記
仁田峠にて。 【雲仙地域】
2017年08月30日こんにちは。雲仙自然保護官事務所の永峰です。
セミの鳴き声と青い空、もくもくとした白い雲、そんな景色に夏を感じる日々ですが、昨年までの私の
夏の生活とは違うことがあります!
それは・・・クーラーが要らないことです!
雲仙自然保護官事務所は標高700mほどの雲仙温泉街に位置しており、下よりも4・5度ほど気温が低く
なるので、窓を開けて風が入ればとても快適です。
雲仙温泉街が地元の方は、家にクーラーが無いという方も多いらしいです。
雲仙の夏が初めての私は、毎日涼しい×2と感動しているのですが、ずっと住んでいる方からすれば、
今年は例年より少し蒸し暑いようです。
「ぬっか(暑い)。」と少し困り顔です。
さて、今回はそんな温泉街よりさらに上、標高約1100mの仁田峠に向かいました。
仁田峠は温泉街から車で約15分、標高1333mの妙見岳の山頂近くまでロープウェイで行くことができ、
島原半島を360度見渡すことができる絶景スポットです。
▲2017年8月23日(水)の仁田峠からの景色。
左の山が平成新山、下の町が島原市、その先の海が有明海。
ここから、妙見岳、国見岳、普賢岳に登ることもでき、日本で最も新しい火山である平成新山に一番
近づける登山道(普賢岳新登山道)にも行けるので、登山客にも大人気です。
個人的に、普賢岳新登山道はいろいろな見所があってかなりお気に入りです♪
それについてはまた今度!
さあ、今日の仕事は看板の整備です!
整備するのはこちらの看板。
▲仁田峠ロープウェイ切符販売窓口前の登山道情報。
真ん中の地図のところにガムテープで何か貼ってあるのが分かるでしょうか?
これをきれいに剥がして、地図に登山道に関しての注意喚起のシールを追加するのが今日の目的です。
この登山道、実は平成26年10月に大雨による登山道上部からの崩落があり、平成27年11月まで通行止め
になっていました。
それを再開するにあたり、注意喚起を追加した案内をガムテープで張り付けていたのですが、それの印刷
が薄くなり見にくくなってきていたので、この度見やすく整備することにしました。
▲作業前の看板。
まずはシール剥がしです。
すぐに終わるだろうと思っていましたが、ガムテープと両面テープの糊がとにかく剥がれません・・・。
30分経ち、1時間経ち、2時間経ち・・・シール剥がしとヘラと雑巾の3種の神器を駆使し、2時間半後、
シール剥がしが空になりました・・・。
あともう少しだったのですが、力任せに剥がすと看板を傷付けかねないので、無念ですが今回はここまで。
大事なところはしっかり見えるようになったので、そこに登山道に関しての注意喚起のシールを追加します。
▲作業後の看板。
▲注意喚起シール拡大。
④鬼人谷口から⑯霧氷沢分かれは注意喚起区間となっており、落石に注意が必要です。
崩落箇所では立ち止まらず、できればヘルメットをかぶって下さい。
大雨注意報や警報発表時は通行止めです。降雨直後の通行も控えて下さい。
ルールを守って、安心安全な登山ライフを楽しみましょう!
最後に、シール剥がし中に、看板の隣に出現した写真スポットを紹介します!
こちら、仁田峠ロープウェイのロージーです!
▲雲仙ロープウェイ顔出しパネル
このロープウェイ、なんと今年で60歳!還暦を迎えられました!
おめでとうございます!
歴史のある雲仙ロープウェイで、開業以来手動式を採用しており、今でも長い訓練を経て筆記や実技の
社内試験に合格した運転員さんが手動で運転しているそうです。
ゴンドラを揺らす風の強さや、重さに影響を与える乗客数を考慮して、スピードやブレーキのタイミングを
運転手さんが計り、最速毎秒3.6mの速さでゴンドラを上手に運行しているとのこと。
さらに驚きなのが、ロープウェイの電源は上の到着駅にあるため、毎日毎日、朝はロープウェイの電源を
入れるために徒歩で山を登り、夕方は電源を切って徒歩で降りるそうです。
安全運行を維持し続けて60年、すごいことです。
皆さま、ぜひ、ひと時の空中散歩を楽しみに仁田峠にいらして下さい。
追記:ちなみにロージーは赤いちゃんちゃんこを着ているそうです!