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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

南阿蘇村の水源めぐり~自然の恵みを満喫しよう~【阿蘇地域:藤田】

2017年08月07日
阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 藤田

 毎日暑いですね。少しでも涼を感じてもらおうと平成29年度自然に親しむ運動月間の一環として『南阿蘇村の水源めぐり』を開催しました。当日は晴天に恵まれ、熊本市方面からなど26名の参加がありました。

 

 南阿蘇村には、環境省選定の名水100選に選ばれた白川水源をはじめ、くまもと名水百選に選定された7カ所の水源とその他にも小さな湧水が数多く点在しています。

 

 パークボランティアの案内で、まずは『池の川水源』へ。ここには兜(かぶと)石というものがあり、水量が多くこの石が見えなくなった年は雨が多く凶作と言われ、見えている年は日年(ひどし)で豊作になるという言い伝えがあるそうです。農家にとってはかんがい用水だけでなく、その年の豊凶を左右する重要な湧水地となっています。水源横には無人の野菜販売所があり新鮮な野菜にみんな興味津々。「トマトを水源で冷やして食べるのもいいね~!」と話もはずみます。

 

 

  

         池の川水源              取れたての夏野菜

 

 

 次は、環境省選定平成の名水百選の『湧沢津水源』へ。田園の真ん中で突然湧き上がるように噴き出しているのが湧沢津水源です。湧水量(毎分) 5トン で水の柔らかさも村内一と言われています。ちょうど地元の方が水を汲みに来られていました。ここは飲料水用、生活用水用と分かれており、太陽の熱い日差しの中、足を浸して涼を取るにはもってこい!しかし、長くつけていると痛くなるくらいでした。

 

 

 

        青々した田園風景            湧沢津水源

 

 

 600mくらい歩くと、寺坂水源があります。

玉泉山正教寺のたもとの湧水。参道の先、南阿蘇鉄道の鉄橋のすぐ下にある水源です。ここは熊本名水百選の一つで、水を飲み比べてみると、わずかに甘いように感じました。

 

 

         寺坂水源               絵になる駅舎との風景

 

 日本一長い駅名として有名になった「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」で休憩しました。熊本地震により、現在運行しているのは高森駅⇔中松駅間で、当駅から立野駅までは不通となっています。「電車の通っていない線路はもの悲しいね。」と誰からともなく声が聞かれました。

 

 200mくらい離れたところに川地後水源(環境省選定「平成の名水百選」)へ。生活用水として農産物の洗浄などにも利用できるようになっており、水の中にはサワガニが数匹歩いていました。

  

         川地後水源                サワガニ

 

 

 参加者の希望で、震災により枯渇した「塩井社水源」へ。水の神様の岡象女神が奉られている神社の境内にあり、エメラルド色をした神秘的な雰囲気のある水源でした。村内で唯一西から東に流れる川で、下流にはオルゴールのメロディが流れる水車があり人々を魅了していました。

  

  

          塩井社水源              止まったままの水車

 川底まで見える水源の現状に驚きも大きく、早く水が戻るようにとみんなで祈りました。

次の観察会は、10月に「高森町」で開催予定です。