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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

ツシマヤマネコの錯誤捕獲を防ぐには・・・

2017年07月10日
対馬 アクティブレンジャー 蔭浦

対馬自然保護官事務所より、

アクティブレンジャーの蔭浦です。

先日74日(火)、5日(水)、対馬島内の2カ所で行われた狩猟免許更新者の講習会へ参加させていただきました。

本講習の前に10分ほどお時間をいただき、ツシマヤマネコにも配慮した狩猟を行うための注意点についてお話しました。

対馬に生息する在来のほ乳類は、大型のものはツシマジカ、イノシシの2種、中型のものはツシマテン、

チョウセンイタチ、ツシマヤマネコの3種のみです。

実は、ここ数年の間でシカ・イノシシ捕獲用のくくりワナに

ヤマネコが掛かってしまったという報告が2件ありました。

これまでの事例では、猟師さんが非常に早い段階で発見してセンターへご連絡くださったため、

ケガの程度は軽く済み、すぐに野生に帰すことができました。

 

 

↑くくりワナが掛かった時のケガの様子

(上:首に掛かった事例、下:胴回りに掛かった事例)

そして、今年4月にも、美津島町黒瀬の山林内に設置された自動撮影カメラにて、前足をくくりワナで負傷したと思われるヤマネコが確認されました。


 

この個体はどのようにワナから抜け出たか不明ですが、ケガを負った状態で移動し行方がわからなくなったため、保護することができていません。

対馬のさまざまな環境にあるケモノ道は、どのほ乳類も共通して使っていることが多いです。

よって、シカやイノシシ用のくくりワナによるヤマネコの錯誤捕獲を絶対に無くすということは

困難なことであり、誤ってワナにヤマネコがかかり、それを環境省に連絡したからといって、

罪に問われることは絶対にありません。

むしろそのご連絡のおかげで、そのヤマネコは生き延びることができるかもしれません。

通常、シカ・イノシシ以外の野生動物が誤って箱ワナやくくりワナで捕獲されていた場合は、

速やかに放獣していただければ問題ありません。

ただ、ツシマヤマネコが掛かっていた場合は、

病気の検査やケガの有無を確認してから野生に帰したいと思いますので、

その場ですぐに対馬野生生物保護センター(0920845577)までご一報いただければ幸いです。

電話番号は「はよ(84)、ここ(55) 鳴らせ(7)、鳴らせ(7)!」です。

対馬島内の狩猟者のみなさまには、なにとぞご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。