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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

身近な自然を知る:大軣(だいごう)小学校での生き物調べ学習

2017年07月03日
出水

 出水自然保護官事務所のアクティブ・レンジャー本多です。

 今回は、薩摩川内市立 大軣(だいごう)小学校の授業の一環として行われた、身近な自然の調べ学習のお手伝いに伺いました。その時の様子をお伝えします。

 大軣小学校は祁答院(けどういん)町の中心部に位置し、藺牟田池のベッコウトンボを題材にした授業を実施するなど、藺牟田池とも深い関わりを持つ学校です。

 大軣小学校では5月23日(火)に学校の近くを流れる瀬早川の生き物調べの授業(「瀬早川をリサーチ」)が四年生を対象に行われました。出水自然保護官事務所ではこの授業のお手伝いとして、子供たちと一緒に生き物の採集・解説、教室での調べ作業のお手伝いをしました。

 

▲ 生き物採集の様子。いつの間にか全身ずぶぬれになっていた男の子もいました。

 子供たちは野外での活動を楽しみにしていた様子で、我先にと川へ入り、たも網や川の中の石を返して素手などで魚やトンボ、カエル、水生昆虫、貝類の生き物を捕まえました。カエルを触るのを怖がる子供もいれば、仲間達と捕まえたものの大きさや珍しさを競い合う子供もいて、何かがタモ網に入るたびに元気の良い声が上がっていました。自然の中での生き物採集は、子供たちにとっても特別なワクワク感があるようで、皆、まるで未知のお宝を探しているかのように目をキラキラと輝かせていました。

 

▲ 生き物調査で捕まえた主な生き物たち。カワムツ、サワガニ、カワニナが多く捕れました。

 

▲ 調べ学習の様子。持ち帰った生き物と図鑑をじっくりと見比べます。

 次に、捕まえた生き物を教室へ持ち帰り、図鑑を見ながらスケッチしたり、特徴をまとめたりしました。自らの手で捕まえた生き物だからこそ好奇心も高まり、川では元気のよかった子供達が黙々と生き物調べの作業に取り組んでいました。中には大人でも識別が難しいヤゴ(トンボの幼虫)を、一生懸命図鑑とにらめっこをしながら、「コオニヤンマのヤゴだ!」と識別する子供もいました。子供達が調べた結果、カワムツ、サワガニ、カワニナなど、瀬早川はきれいな水に生息する生き物が多いことが分かり、また、水のきれいな川であることを知り子供たちはとても驚いた様子でした。

 調べ作業が終わった後、捕まえた生き物たちを元いた川へ帰して、授業は終了しました。

 

▲子供達から寄せられた感想文。一人一人、枠いっぱいに書いてくれました。

 そして後日、嬉しいことに子供たちから生き物調べの授業の感想文、写真や絵を描いて模造紙にまとめた物を頂きました。

 感想文には、「今までタニシだと思っていた貝がカワニナだと知り驚いた」や「瀬早川には様々な生き物がいることを知ることができた」との声がありました。瀬早川は、子供たちにとっては「あたりまえの自然」ですが、今回の授業をきっかけに、身近な自然の中にある面白さ・不思議さに改めて気付いてもらえたのではないでしょうか。

▲大軣小学校の四年生の皆さんとの集合写真。