アクティブ・レンジャー日記
自然観察会 春と梅雨の野草園だより【阿蘇地域】
2017年06月14日はじめまして!
4月より阿蘇くじゅう国立公園管理事務所の
アクティブレンジャーとなりました、大津です。
よろしくお願いします!
春に引っ越してきたときの山肌は、
むき出しの土の黒や、野焼き後の枯れ草の色をしていました。
5月には下の方からじわーっと緑につつまれ、
今はふさふさとした草原が広がっております。
毎日変わる山の表情の変化を楽しみにしながら働いております!
さて、阿蘇くじゅう国立公園内には、南阿蘇ビジターセンターという施設があります。
そこに隣接する「野草園」。
ここでは散策路を歩きながら、阿蘇の希少な植物や昆虫を観察できます。
神秘的で穏やかな気持ちになる、とても素敵なところです。
この野草園で、今年度に入って2回、自然観察会が開催されました。
◎4月29日「阿蘇の野の花を観察しよう」
◎6月11日「ハナシノブの観察とらくだ山散策」
春と梅雨入りの時期では、野草園の様子が全く違っていました!
季節ごとの植物をお知らせしようと思います。
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◎4月29日「阿蘇の野の花を観察しよう」
【ヤマブキソウ】
明るい林の足下に咲いていた、きれいな山吹色をした花です。
日の照っているときに開く花で、夕方にはしぼんでしまいます。
ちなみに、ヤマブキという木に咲く花は、花びらが5枚、
でもこのヤマブキソウは、花びらが4枚ですよ。
【ツクシシャクナゲ】
「ツクシ」は漢字で書くと、九州の地名である「筑紫」です。
白やピンクのフリフリしたお花を咲かせてくれます。
葉っぱの裏はオレンジなんですよ!
触るとなんだか革製品のようでした。
◎6月11日「ハナシノブの観察とらくだ山散策」
【ハナシノブ】
梅雨の時期に薄紫色の花を咲かせます。
自生のハナシノブは阿蘇にしか生育していないとも言われています。
4月に初めて見たとき、凜とした葉の姿に一目惚れしました。
そんな魅力のある花です!
【らくだ山】
山頂の岩の様子が、らくだの"こぶ"に見えることからこの名前がつきました。
カルデラならではの地形で、ジオサイトにも登録されています。
"こぶ"のような板状の岩は、近くで見るとまた迫力がありました。
ぜひ登って近くで山肌を見てみてください!
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この野草園では、いつでもスタッフやパークボランティアの方に
説明してもらいながらまわることもできます。
できれば事前のお問い合わせをおすすめします。
ぜひ南阿蘇ビジターセンターに足を運んで、
阿蘇の生物とふれあい、学んでみてはいかがでしょうか。
南阿蘇ビジターセンター 野草園
http://www.minamiaso-vc.go.jp/
熊本県阿蘇郡高森町高森3219
電話番号:0967-62-0911
開館時間:9:00-17:00
休館日:水曜日(祝日の際は振替休館)
※野草園では、希少な植物や昆虫とその生育環境を保全しています。
生きものは野草園の中だけで心ゆくまで眺めてあげてくださいね。