アクティブ・レンジャー日記
初めての野焼き
2017年04月24日はじめまして、こんにちは。
今年の4月から大分県の阿蘇くじゅう国立公園くじゅう管理官事務所に配属されましたアクティブ・レンジャーの小泉です。
去年から大分県に移住しまして、以前は埼玉県在住でした。
この阿蘇・くじゅう地域では野焼きを毎年3月~4月に行っていて、アクティブ・レンジャーとして初めての大きな外での仕事でした。
4月14日にくじゅう管理官事務所から車で5分位の所にある、やまなみハイウェイ近くの飯田高原で行われました。
野焼きをすると言葉を聞いて皆さんはどの様な事を想像しますか?
私は野焼きをすると聞いた時に山を一つ焼いてしまうのかな?
すごく危険な事をするのではないかな?
などを考えていて、どのように行うのかドキドキしながらの参加でした。
当日、実際に現場に行ってみると25名位の人達が集まっていました。
野焼きのやり方を少し説明すると、火入れ役が1~2名で残りの全員は火消し役になります。
火入れ役はバーナーで次々と火を入れていき、火消し役はジェットシューターを背負って後についてゆくという形になります。もちろん、火入れ役の人はベテランの経験豊富の方が担当し、風向きなどを考えながら火をつけていきます。 火消し役の人達は火が飛んで燃やしてはいけない所を注意しながら動いていきます。
ジェットシューターを背負って配置について、しばらくすると火が瞬く間に広がってゆきました。
火の早さに緊張しながらも、ほとんどの場合、火は自然に草の生えていない歩道や道路近くで消えてしまうので、ジェットシューターを使う機会があまりないのが印象的でした。
野焼きに参加する前まで、私は消防隊の様に休みなくジェットシューターを使って火を消したりしないと大変な事になってしまうと思っていたので、少し拍子抜けした様な気持ちになっていました。
しかし、風の強さによっては一気に火は広がり、高さ5メートルを超える火柱を作りながら進んでゆきます。
私は初めての経験というのもあって、圧倒されて改めて火の凄さを体で体感しました。
火がつくるバチバチッという音も凄まじく、体感温度も顔を背けたくなるような熱さでした。
当日は皆様の協力で怪我もなく無事に終わることができ、その一員として、この野焼きに参加出来た事は、とても良い体験でした。
現在、野焼きをする団体も高齢化が進み、継続してゆくことが困難な所も多いというお話を聞きました。
私はアクティブ・レンジャーとして野焼きが未来も継続してゆくにはどうしたら良いかという事を考えさせて頂く貴重な一日ともなりました。
先ず、この様なアクティブ・レンジャー日記を通して多くの人々に野焼きを知ってもらう事も、野焼きを未来に継続してゆく一つのきっかけになるのではないかと思いました。