アクティブ・レンジャー日記
九州特産物リレー ~対馬の蜂蜜~【対馬地域】
2017年02月03日みなさん、こんにちは!
対馬自然保護官事務所の福成です。
九州のアクティブレンジャーが各地の特産物を紹介する「九州特産物リレー」。
今回は、対馬の「蜂蜜」をご紹介します!
10月終わりごろ、ご近所の方に蜂蜜をいただきました。
なんと、巣ごと! 採れたてです。
こんな経験がなく、どうしたものか、と思いましたが
あれこれやってみて、なんとか蜜をろ過することができました☆
とてもきれい!
これまで買っていた市販のものと味が違い、とても甘く、とても濃い!
「対馬の蜂蜜は高級品」というイメージがあったので、まさかこんな形で
口にすることができるとは!本当に感謝です。
対馬での養蜂の歴史は古く、1500年前頃(つまり西暦500年頃で飛鳥時代より前の古墳時代!)
から行われていた説もあります。
江戸時代には将軍・諸大名への贈り物として利用されたり、
朝鮮使節の饗応の膳(もてなしの料理)に使用されたという記録も残っています。
山の斜面に並ぶ丸太。これは何でしょうか?
実は、「蜂洞(はちどう)」と呼ばれるミツバチの巣箱なんです!
蜂洞は、ケヤキ、タブ、スギ、マツ、ハゼなどの丸太材をくり抜き、
出入口を下に作って蓋をし、上部から蜜を採取するようにできています。
湿気から守るため、直接土の上に置かずに下に石を置いてその上に置きます。
伝統の技術を守りながら継承される蜂洞は、現在でも、対馬島内の
いたるところで見かけられます。
調査などで森に入る機会が多いのですが、どこの森でも
だいたい、いや、必ず見つけることができます。
それだけ対馬の人々の生活に深く関わっているのですね!
対馬の蜂蜜はニホンミツバチが集めたもので、全国的にも貴重なものです。
対馬のミツバチは暖かくなる2月頃から活発に飛び始め、初夏には分蜂をし、
10月のソバの開花期まで活動します。
対馬の養蜂家は10月中旬~11月上旬に1回、ミツバチが冬を越せるように
1/3だけ蜜を採ります。
貯蜜期間が長く、ゆっくりと熟成されるので、非常に濃厚な蜂蜜になるそうです!
対馬のニホンミツバチは、季節ごとに対馬の多種多様な草木から採蜜します。
そのため、対馬の蜂蜜は「百花蜜」と呼ばれ、濃度が高く、独自の風味を持っています。
対馬の蜂蜜は、観光物産協会や空港、インターネットでも販売されています。
なかなかの高級品ですが、その分味は格別です(^^)!
対馬にはまだまだ魅力のある特産品があります。
ぜひ対馬の魅力を味わいに、感じに、お越しください!