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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

「最西端・化石ウォーク」活動支援

2017年02月01日
佐世保 佐伯信吾

「最西端・化石ウォーク」活動支援

(1)日 時:平成28年11月13日(日)

(2)場 所:佐世保市小佐々町 神崎鼻

(3)講 師:天草御所浦白亜紀資料館学芸員 鵜飼 宏明 氏

現場の様子            現場の様子

天草御所浦白亜紀資料館の学芸員鵜飼氏に神崎鼻の海岸を案内していただきました。鵜飼氏はこの付近一帯の野島層群研究の第一人者。前日の九十九島サロンでは幻の湖という題でここの化石の話をしてもらいました。

一般の方の参加の中に多くのパークボランティアも加わり、約2000万年前の出来事や生き物、岩石、地層について学習しました。

この一帯を含めて佐賀県から下五島まで広がる大きな湖があった話で参加者をぐっと引きつけ、昔のことを知るために今の生き物と化石を比較すること、野島層群より古い層は中国にはないこと、周辺の大陸の例として中国の生き物と比較することも重要であること等の解説の中で、特に興味をひかれたお話は地層の見方についてでした。例えば積み重ねた本を横に徐々に倒していくと地層の断面が露出します。

化石を指さし説明講師が化石を指さし説明

ここ神崎鼻の海岸がいい例であるとのことです。これを下(古い方)から上(新しい)の方向に向かって調査するのが基本であることを現場を見ながら解説していただきました。

化石探しになると次々に貝類を探しだしていました。ガマノセガイ、サギの足跡、湿地に生息するワニの足跡、コサザヒメタニシ等を観察できました。

また、噴火により火山灰が空中に散布され、これに雨があたりころころした丸い固形物となった火山豆石も確認しました。

講師が手持ちの化石を説明

講師が手持ちの化石を説明

低学年の子ども達が参加していましたが、この子達が地元を案内できる鵜飼さんのような学者に一人でもなってもらえればと願うばかりです。