アクティブ・レンジャー日記
自然がつくりだす氷の芸術 古閑の滝【阿蘇地域】
2017年01月25日みなさんこんにちは~!阿蘇自然環境事務所の山口です!
阿蘇は本格的な冬の季節となり、室内で過ごすことも多くなりましたが、
実は冬にしか見ることができない、阿蘇の美しい景色が色々あるんですよ~
今回ご紹介するのは、阿蘇市坂梨地区の古閑(こが)の滝です。
駐車場から少し坂を登って林を抜けると、突如大きな岩山と凍った滝がみえてきます。
近くで見ると迫力があります!
(▲ダイナッミックな氷の芸術 古閑の滝)
古閑の滝は阿蘇カルデラの東部外輪山に位置します。絶壁はカルデラが形成された約27万年~9万年前の火山活動以前の地層がむき出しの姿となっています。滝の上流の大地は火砕流などが蓄積して平らになっており、あまり水があつまりません。そのため水量が少なく、氷の柱が100mもの高さになることもあります。
見上げるとふたつの滝が流れており、左側が雄滝(おだき)80m、右側が雌滝(めだき)100mです。
先阿蘇火山の溶岩崖を流れ落ちるままの凍滝(いてたき)は、寒さがもっと厳しくなると、
氷瀑の姿になることもあります。
地球温暖化が進んでいくと古閑の滝に流れる水量が多くなり、氷の柱がみれなくなってしまうことも
危惧されています。
太古に形成された表情豊かな岩、そして氷にあたる陽の光の輝き。
日中、気温の上昇によって谷に落ちる「カーン」という氷の音も趣があります。
春には、その音が冬の終わりを告げる風物詩として、地元の方に親しまれているそうです。
例年では12月下旬から2月末までが見頃です。
日に日に姿を変える古閑の滝。
一瞬一瞬の奇跡のアートを、ぜひ皆さんにも見ていただきたいとおもいます。
■古閑の滝 (阿蘇ユネスコジオパーク内33カ所あるジオサイトのうちのひとつです)
http://www.aso-geopark.jp/geosites/geosite10.htm
さらに、古閑の滝から南(高森方面)に向かうと箱石峠があります。
峠の上から景色を見渡すと冠雪した阿蘇山の稜線が映え、美しく雄大な姿を眺めることができます。
(▲草小積みと雪景色の阿蘇山 箱石峠)
手前の草原にあるのは、農業の機械化とともに見られることが少なくなった草小積み。
刈り取った野草を乾燥させて稲の茎で結び積み上げ、雨から守るためにススキを上から被せたもので、
冬の間の牛のえさなどに利用されてきました。
草小積みの牧歌的な風景は、通気性がよく草が傷みにくい貯蔵法として、
阿蘇に暮らしてきた先人たちの文化的草原資源の知恵が守られている姿なのです。
季節ごとに、新しい発見と感動を与えてくれる阿蘇の自然。
ちょっとコタツから抜け出して、防寒具を身にまとったら、
冷たく凛とした阿蘇の空気と冬の魅力を感じに遊びにきてみませんか?
雄大な冬の景色を堪能した後の温泉はまた、格別ですよ~♫
■阿蘇温泉町村湯マップ
http://onsen.aso.ne.jp/map/index.html
http://minamiaso-onsen.jp/access.html
■阿蘇地域アクセスルートマップ
http://www.qsr.mlit.go.jp/bousai_joho/tecforce/pdf/asoaccess
■阿蘇地域の積雪・凍結に伴う道路情報