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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

平戸市中津良小学校 若宮浦干潟の観察会

2016年12月08日
佐世保 佐伯信吾

日 時 平成28年10月23日(木)

場 所 平戸市中津良 若宮浦干潟

対 象 平戸市中津良小学校3、4、5、6年生

地元中津良(なかつら)小学校の総合的な学習の時間の活動協力依頼があり学校近くにある若宮浦干潟で生き物観察会を実施しました。

これは、地元在住のパークボランティアが地元の自然を小学生に知ってもらおうと学校に働きかけ、学校も是非にということで実施に至ったもので全校児童の25名で複式学級になっている小さな学校です。

干潟には敷佐川(しきさがわ)、中津良川の2つの川が流れ込み、干潟になっている(写真)

入り江は、細長く蛇行し以前は海苔養殖も行っていたそうですが今では跡形も残っていません。

若宮浦干潟

中津良地区は、中津良川のゲンジボタル棲息地と知られ、時期には観察会も実施されるなどから地域ぐるみで自分達の自然を大事にしようというムードが漂っているところです。

ノコギリガザミの一種ドロアワモチ

アナジャコの一種

今回の登場生き物は、ドロアワモチ(写真)、ケフサイソガニ(写真)、カブトガニの子ども(写真)、大きくて美味そうなノコギリガザミの一種(写真)そして児童達が見つけたアナジャコの一種。

中でも干潟をはっていたドロアワモチに児童達は特に興味を示し、不思議そうに手に取り観察しながら我々の説明に聞きいっていました。

カブトガニの子どもケフサイソガニ

カブトガニについては特別に剥製を持ってきて、雌雄の見分け方、この干潟のような産卵場所が年々減少しているため生息数も減少していること等を説明しました。

また、児童達は、底なし沼の様な干潟で遊び(写真)、長靴を干潟に取られた児童を助けに行った児童も足を取られる等面白い光景に笑ってしまいました。

干潟に足がはまり悪戦苦闘

おそらく、この干潟に入ったのは殆どが初めての児童達ばかりであったと思います。遊ぶことから自然環境保全が始まると考えます。これを第一歩として、若宮浦干潟でもっともっと遊んで欲しい。

終盤、平戸は歴史だけでなく稀少動植物の種類の多さでも特に貴重な島だから、地元の自然は地元の人が保全、保護する意識が必要なことを話して終わりにしましたが、この話に児童達が熱心に耳を傾けていたのが印象的でした。