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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州百名山~七ッ岳登山にチャレンジしよう!~

2016年11月16日
五島 竹下洋子

 こんにちは!五島自然保護官事務所の竹下です。10月30日(日曜)、ふれあい事業として毎年実施している七ッ岳(ななつだけ431.1m)登山に私もスタッフとして参加しました。開催の数日前、安全確認のため登山ルートを事前調査し、台風等の影響による倒木等の処理を行いました。

左:登山道を遮る倒木の処理

右:登山道の急峻な岩場

 九州百名山に選定されている七ッ岳は、7つの岩峰が連なる鋸歯状の山で、荒川方面から七嶽神社へ向かう九州自然歩道からもその美しい姿を見ることができます。標高はあまり高くないものの山頂に近づくにつれアップダウンが多い登山道には急峻な岩場もあります。そのため、出発地の七嶽神社で参加者に対し、岩場での基本姿勢である三点支持等自然保護官から注意事項を説明しました。


左:荒川方面から望む七ッ岳

右:出発前の注意点事項説明

 旧七嶽神社奥殿へ続く参道は、石段を登るほどに間隔や奥行が狭くなるため1段1段足元を確かめながら進みます。父ヶ岳登山道との分岐点から七ッ岳山頂方向へ暫く登ると左右が樹林に覆われた比較的歩きやすい道が続きます。単調な道ですが、地面や岩肌をよく見ると見逃してしまいそうなくらい小さなシダ類・ラン類等の葉が見つかることもあります。今では九州百名山に選ばれたこともあり登山者も多くなりましたが、昔はミサゴの巣を山頂に近い岩壁で確認できたそうです。


左:旧七嶽神社奥殿への石段

右:登山道で見かけたウンゼンカンアオイ

 七ッ岳は、岩場登りや稜線歩きが中腹あたりから続きます。ここ最近少しずつ朝晩の気温が下がるものの日中は秋らしい清々しい日差しも射すため、登り道では羽織っていた上着を一枚脱いだり、袖をまくったりと衣類で調整しながら進みます。樹林に覆われた登山道から急に木々に隠れていた前方が開け、目指す山頂方向や玉之浦湾を見渡すことができ、参加者の中には初めて見る景色に歓喜の声をあげていました。


左:樹林に覆われた登山道を進む参加者

右:山頂付近より望む玉之浦湾

 七ッ岳山頂からは、東に福江島の米どころ山内盆地、西に五島列島の代表的な国立公園区域である玉之浦湾の大パノラマを眼下に見渡すことができます。

 参加者の方から、枝の幹半分がまるで白いペンキが剥げかけたように何かが白く付着した不思議な枝を拾ったと見せてもらいました。おそらくカビか地衣類が枝についたものと思いますが、ご存知の方はいらっしゃいますか。


左:山頂での昼食は最高!

右:白い何かが付着した枝

 下山後に参加者に行ったアンケートでは、「登山に興味はあるが1人では不安なので、このイベントに参加して七ッ岳の魅力を体験できて良かった。」等の声を聞くことができました。山に花が咲き始める春ごろ、一味違う景色を楽しめるかもしれません。みなさんも「七ッ岳登山」にチャレンジしませんか!

七ッ岳山頂で記念撮影(後方は山内盆地)