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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

地とうきびタネまき農業体験イベント開催!【阿蘇地域】

2016年08月23日
阿蘇くじゅう国立公園 山口佳子

今年度から阿蘇自然環境事務所のアクティブレンジャーになりました山口です。

4ヶ月経っての初投稿です。勢いにのって連投めざします!

おつきあいのほどよろしくお願い致します。

 

熊本地震で被災し、6月の豪雨でも追い打ちをかけるようにダメージを受けた阿蘇ですが、

『復興』の思いでひとつにつながる農業体験イベントが7/23(土)に開催されました。

阿蘇の草原の野草を刈り取り、野草堆肥でお野菜を育てている

阿蘇草原再生シール生産者の会の市原会長の畑をお借りして、

広い畑にみんなで一斉にまいたのは、阿蘇で受け継がれてきた、地とうきびのタネ!

品種改良されていない在来種で、収獲しては一部を残して保管し、まいてはまた保管、を繰り返しながら

長い年月阿蘇の農家さんに守られてきた貴重なタネを使わせて頂くことができました。

   

(▲10日間畑に泊まり込み、イノシシに食べられてしまわないよう見守ってこの日を迎え、

  今回のイベントで使用させて頂いた地とうきびのタネです。)

  

 

(▲(左)地とうきびのタネまき & (右)お土産のスイートコーンを収獲したようす

     34名の方が参加されました。福岡県や大分県からもご参加いただきました。

     農業体験初めての方が多く暑い中慣れない作業でしたが、みなさん楽しそうな表情です!)

 

まいたタネの間に堆肥をかけていきます。

草原で刈り取った野草を発酵させて3年間熟成させた堆肥です!

美味しいお野菜を届けたい!という農家さんの想いがた~っぷり詰まっています。

この堆肥が、土をふかふかにして、土壌内の善玉菌が野菜の病気を抑え、

安全でおいし~~~~~~~~~お野菜にしてくれるのです♫

 

    

(▲(左)使用した野草堆肥 &(右)開催にご協力いただいた阿蘇地域世界農業遺産のロゴマーク)

 

阿蘇の草原を刈り取り、野草堆肥の活用が進むことで、

刈り取られた草原の大地まで太陽の光が届くようになり、

草原景観や地下水保全につながっていきます。

阿蘇の草原、人、動植物、農業、文化の循環がひとつの環となる阿蘇の営みがここにあります。

参加者のみなさんが、暑い中での農作業でキラキラと汗を光らせている間に

阿蘇草原再生シール生産者の会の女性陣がおにぎりを作ったり、

バーベキューの準備をしてくださいました。