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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

長崎県西海国立公園 九十九島地区 伊島海岸清掃と生き物調べ

2016年08月15日
佐世保

九十九島の会の皆さん(22人)に同行させていただき、グリーンワーカー事業による伊島の清掃、動植物調査をしてきました。

グリーンワーカー事業は、地域の自然や社会状況を熟知した地元の住民団体等により、地域の実情に対応した迅速できめ細やか自然環境保全活動を推進し、国立公園の管理のグレードアップを図ることを目的に行われています。

今回は、北九十九島の玄関口である臼ノ浦港から出港。伊島まで約30分。浅瀬に囲まれるため接岸するのが大変困難な瀬渡し船泣かせの島です。大小2隻の船で近くまで行き、接岸する時は、小さな船を使います。人にとっても、足場となる岩に海藻やフジツボが着生しているため滑りやすく上陸には危険を伴います。

伊島紹介:佐世保市にある南北に細長い無人島。海岸を歩いて一周するのに約2時間。島の南西側は、強い風の影響を受け低木ばかりで、この下には一面コシダ(シダの仲間)が繁茂していて歩くのが大変です。樹高は、北側に行くに従い高くなっています。

また、島では、カラスバトを春から夏にかけ確認していますが、繁殖の確認はありません。南側の海岸は、大きな岩が重なりあい洞ができています。平成6年、クロサギの3ペアが、この洞を利用し繁殖したことがあります。

伊島

※カラスバト:ハト科。全長約40センチ。本州中部以南の限られた島嶼に分布しています。全身黒色で頭部には紫赤色、嘴は暗青色で、先端は緑色。足は赤色。島での開発や頻繁な人の出入りが生息環境を悪化させ生息数が減少しています。

カラスバト

※クロサギ:サギ科。全長約62cm。本州以南に分布しています。こちらでは、黒色型が殆どですが、南西諸島では白色型が多くなってきます。他のサギに比べくちばしが、太くて長いため頑丈そうに見えます。確認される場所は、海岸の岩場を好みますが、干潟や海岸に近い湿地で見ることもあります。

クロサギ

清掃では、漂着物の回収をしましたがペットボトル、漁業関係の発砲スチロールが殆どでした。昼食時には、炎天下の作業で皆さん日焼けした中、冷やしてわざわざ持って来た素晴らしく美味しいスイカを頂き充実した一時でした。

 

冷えたスイカ美味しかった 

ハネビロトンボ

 

ハマオモト

 

ヒトモトススキ

伊島の場所:地図の中心の付近に小さな島が2つ並んでありますがその一つ。