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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

屋久島の自然を学び、体感!出前授業【屋久島地域】

2016年07月16日
屋久島 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!

屋久島自然保護官事務所の水川です。

7月に入り屋久島は真夏のような晴れが続き梅雨明けかと心躍っていたのもつかの間、また雨が続いています。

先週の金曜から日曜にかけては大雨警報が出るほどの大荒れで、縄文杉登山バスの運休、白谷雲水峡やヤクスギランドの閉園、登山口までの県道や西部林道の通行止めなど、山へのアクセスが断たれました。

そんな時は里地観光!屋久島世界遺産センターは大賑わいでした。

屋久島世界遺産センターでは、80インチの大型液晶モニターで美しい屋久島の自然のハイビジョン映像をお楽しみ頂けます。また、屋久島の自然の成り立ちやどうして世界遺産になったのかなど、屋久島の自然環境について詳しく学ぶことができます。

雨の日はもちろん、ぜひ登山の前にもお立ち寄りください♪

屋久島の山歩きが数倍おもしろくなると思いますよ☆

【屋久島世界遺産センターHP】

https://www.env.go.jp/park/yakushima/ywhcc/index.htm

 

さて、屋久島自然保護官事務所では、屋久島の子供たちに屋久島の自然環境の素晴らしさや大切さを知ってもらうため、町内の学校で出前授業を行っています。

先日授業を行ったのは、屋久島町立八幡小学校の3、4年生の皆さん。

八幡小学校では平成20年から毎年出前授業を実施しています。

 

第1回目の授業は6月21日、国立公園や世界遺産について勉強しました。

事前学習で国立公園や世界遺産を調べたというクラスの皆さん。

○×クイズをすると正解の連続で、しっかり予習ができていて驚きました!

 

教室でマルバツクイズをする様子

▲授業の様子。

 

第2回目の授業は6月23日、レンジャーの仕事や屋久島で起きている問題について勉強しました。

屋久島で起きている問題の一つとして、観光客の増加によるウミガメ産卵や子ガメふ化への影響が挙げられます。3回目の授業ではウミガメの上陸・産卵跡の観察も予定していたので、この授業ではウミガメの生態についても紹介することにしました。

 

アカウミガメの頭骨標本を披露する様子

▲アカウミガメの頭骨標本を披露!

「でかい!」「くちばしがある!」「何食べるの?」と、皆さん興味津々でした。

 

アカウミガメの実物大パズルに挑戦する様子

▲アカウミガメのパズルにも挑戦!

甲羅や足や頭など、全部パーツが分かれていて難解でした(^^;

完成すると実物大のアカウミガメが現れます!(写真右)

 

6月29日に第3回目の授業を実施しました。

この日はパークレンジャー体験。屋久島国立公園区域である栗生(くりお)海岸に出かけて、国立公園の豊かな自然を体感するとともにレンジャーの仕事を体験することで自然を守る取り組みについて理解を深めてもらいました。

 

栗生海岸でビンゴゲームをする様子

▲ビンゴゲームをしながら海岸の生き物探しに挑戦!

 

海岸ビンゴシート

▲ビンゴゲームシート。

 

ビンゴゲームで見つけた生き物

▲魚や磯に住むカニ、砂浜に住むスナガニや巣穴、オカヤドカリなど様々な生き物を見つけました。写真は全て児童の皆さんが撮影したもの。上手に撮れています!

 

海岸清掃の様子

▲レンジャーの仕事体験ということで、海岸のゴミ拾いにも協力してもらいました。

 

ウミガメの上陸跡を見学する様子

▲ウミガメの上陸・産卵跡も観察しました。タヌキ(屋久島では外来種)かイヌによって卵が掘り起こされた跡があり、それを見た児童が、「ウミガメが大きくなるのは奇跡なんだ。」と言葉にしました。

子ガメが無事に海に帰り、大きく成長することの難しさを実感したようでした。

 

教室に戻り、貝の標本作りやスケッチをしている様子

▲教室では浜で採集した貝殻の名前調べと標本作り、貝のスケッチをしました。

貝大好き菊地アクティブレンジャーによる標本作り体験は毎年恒例となりましたが、今年も皆さんに大好評でした。

 

班ごとに作成した栗生海岸マップ

▲最後は栗生海岸マップを作成して発表しました。「生命マップ」や「ひみつマップ」など、班ごとに素敵なマップが完成しました(^^)

 

コンクリートによる海岸の埋め固めや消波ブロックの設置など、人の手が加わった人工海岸は生き物たちの住む場所が少ないです。

一方で、人の手が加わっていない自然海岸の砂浜では、ウミガメが卵を産んだりスナガニなどが穴を掘って棲家にしたり様々な海岸植物が生育します。

複雑な地形の磯は魚やサンゴやカニたちの隠れ家となって多くの種が生息できます。

屋久島の海岸の90%は人の手が加えられていない自然海岸です。

そこでは多種多様な生き物が育まれています。

児童の皆さんは授業の最後に、ビンゴゲームでの生き物探しや貝拾いを通して栗生海岸の豊かな自然を知ることができてよかったと話してくれました。

今後も、自分達が暮らす屋久島の自然の豊かさや大切さを実感できるような授業に取り組んでいけたらと思います。