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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州特産物リレー 西海国立公園編

2016年06月23日
佐世保 佐伯信吾

テーマは地元の特産物

海産物 トビウオ(アゴ)

西海国立公園の特産物と言えばまずアゴでしょう。平戸から生月の瀬戸では、トビウオ漁が行われますが、地元の風物詩にもなっています。漁は、盆北(地元で言う強い北風)が吹く8月中旬から10月頃にかけてトビウオが北上して来るこの時期に行われます。中でも9月が最盛期。以前は、入ってくるトビウオを数隻の船で海面を竹竿で叩きながら湾内へと追いやり網で獲っていたそうです。最近は、2隻の船で網を引く漁法だそうです。余談ですが、このトビウオを追いかけて大型のシイラ(カナヤマ)も群れをなしてやって来ます。これを狙ってルアーを盛んに投げ出す若い太公望で周辺の突堤等が賑やかになります。

話を元に戻して、生食も美味なのですが殆ど干物として加工され市場に出回っています。用途は、酒の肴、ごはんの友、出汁取りとして利用されます。干物は、一夜干しと保存が利くようにしっかり乾燥させた2種類があります。後者の方が主流となっています。おそらく、昔の長旅にも対応できるようにとの理由でしょう。当方の好みとしては、だいぶん歯も弱ってきていることから前者の方が好みです。出汁取りのため焼きアゴに加工されお正月の雑煮の出汁として、欠かせないものの一つです。また、九州では豚骨ラーメンですが、アゴ出汁ラーメンが密かなブームになり、うどんやちゃんぽんにも使用されています。トビウオ漁は、西日本以西で特に行われているようです。干物にしたトビウオのことを日本海側ではアゴと呼ばれています。なぜアゴと呼ぶのか地元の方に聞きましたが分かりませんでした。

「写真」左が平戸港  右は黒子島と呼ばれる小さな島ですが、特別保護地区です。