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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

くじゅうに春がやってきました。

2016年04月13日
くじゅう 兒島音衣

はじめまして。

くじゅうではアクティブ・レンジャーがバトンタッチされ、4月からは私、兒島(こじま)が務めます。季節の情報、くじゅうの魅力など、たくさんの人に伝えていきたいと思います。よろしくお願いします!

いきなりですが、みなさんは「春の色」といったら何色を思い浮かべますか?

春はいろんな色であふれている季節ですよね。

しかし、ここくじゅうでは、春の色は「黒」なんです。

春、阿蘇・くじゅうで忘れてはならないのが「野焼き」です。



燃やすといっても山のすべてを燃やしてしまうわけではありません。草原として残しておきたいところだけを燃やし、森林として残しておきたいところには、火がうつらないように、細心の注意を払います。準備は前の年の夏の終わりから進められ、多くの人の協力があって毎年くじゅうの草原・湿原は維持されています。

↑火は下から上へ向かうため、草地と森林(または道路など)の境界部では少しずつ草を燃やして防火帯を作ります。それにより、草地全体に火をつけても周囲に火が飛びうつりにくくなります。

バチバチと枯れ草の燃える音、ものすごい熱をもった炎、そしてなつかしいような煙のにおい・・・・・・。

野焼きは、人が自然を利用するために1000年以上も前からずっと続けられてきました。煙のにおいがなつかしく感じるのはそのせいかもしれません。 現在、草原の維持は放牧のためだけではなく、草原・湿原でしか生育・生息できない生き物を守るために行われています。

長者原ビジターセンター1階にある展示では、迫力ある野焼きの映像を見ることができますよ!

(長者原ビジターセンター: http://kyushu.env.go.jp/nature/tyojyabaru/index.html

この春のくじゅう地域の野焼きはすべて終わり、地面はまっくろ。

ここから新芽が出て、キスミレやハルリンドウなどの春の花が咲き始めるでしょう。

くじゅうにもようやく春がやってきました!