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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

ヤンバルクイナの集落プレイバック調査について

2016年04月08日
やんばる 藤田雄

 みなさん、はいさい(こんにちは)。

 やんばる野生生物保護センターから藤田です。

やんばる地域は急に暖かくなって参りました。これからの季節、寒暖の差で体調を崩さない様気をつけたいと思います。

 本日は2月4日から23日に、国頭村と東村の小学校で行われた、ヤンバルクイナの集落プレイバック調査についてお話しします。

佐手小学校にて、プレイバック調査のための用具の準備。

(佐手小学校にて、用具の準備をするNPO法人どうぶつたちの病院沖縄の皆さん)

 プレイバック調査というのは、スピーカーなどで鳥の鳴き声を周囲に響かせ、鳥たちがその鳴き声に反応して鳴き返す声を聞き取り、いつ、どこから、どんな風に鳴いているかを記録する、という調査方法のことです。

やんばる野生生物保護センターではこのプレイバック調査をやんばる地域の各集落で、2005年からNPO法人どうぶつたちの病院沖縄の皆さんと、各集落の小学校および小中学校の教師と生徒の皆さんの協力のもとで行っております。今年は国頭村の佐手小学校、奥小学校、安田小学校、北国小学校、安波小学校と、東村の高江小中学校の皆さんに協力していただきました。

 奥小学校の渡り廊下にて、アクティブレンジャー藤田が生徒の皆さんと教師の皆さんにプレイバック調査の事前説明をしています。高江小学校の正門前にて、アクティブレンジャー藤田が生徒の皆さんと教師の皆さんにプレイバック調査の事前説明をしています。

(生徒と教師の皆さんへの調査手順の説明 左:奥小学校 右:高江小中学校)

 この集落内でのプレイバック調査では主に各集落に設置されている放送用のスピーカーからヤンバルクイナの鳴き声を再生し、集落内の4から5地点に分かれた各班が再生された音声に鳴き返す声を聞き取り記録します。

 班員の役割は、時計を持っていつ鳴いたかを調べる時計係、地図を持ちながら鳴き声に聞き耳を立ててどこからどんな風に鳴いたかを聞き分ける聞き取り係、時間と場所と聞こえ方を紙に書き留めて記録する"記録係"の3つに分かれます。

そうして記録したヤンバルクイナの鳴き声を、最終的に1枚の地図に纏めて調査結果を記録する。これが集落プレイバック調査の流れとなっています。

辺戸集落にて、プレイバック調査中の北国小学校の皆さんがヤンバルクイナの声を聞き取っています。安田小学校の理科室にて、調査に参加して下さった皆さんがプレイバック調査の結果をまとめています。

(左:辺戸集落でヤンバルクイナの鳴き声を聞き取る北国小学校の皆さん 右:調査結果をまとめる安田小学校の皆さん)

安波小学校にて、まとめ終わったプレイバック調査の結果を発表中。

(安波小学校にて、調査結果の発表)

 本年度は全ての小学校での結果を合わせて、47羽のヤンバルクイナの鳴き声が確認されました。これは昨年の結果と比べると10羽以上増えており、特に辺野喜や安波といった、国頭村の南の集落では数が増えているという結果が得られました。少しずつヤンバルクイナの生息域が回復している、ということかもしれません。

 協力していただいた各校生徒の皆さん、教師の皆さん、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄の皆さん、どうもありがとうございました!!

 それでは、やんばるより藤田でした。