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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

春のはかなきものたち【阿蘇地域】

2016年02月24日
阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 田上

 

この時期、林床からニョキニョキニョキ・・・このつぼみ、なんの花が咲くでしょうか??

 

フクジュソウ(ミチノクウフクジュソウ)のつぼみでした♪

高森町にある「阿蘇野草園」では今月の中旬頃から、少しずつ咲きだしています。

春を感じますね(^^)・・というのも、戦略的に早春に咲いているんですよ!

 

広葉樹の林の下によく見られますが、広葉樹が芽吹く前に花を咲かせることで、地面まで届く太陽をたっぷり浴びて光合成を行い、地下茎に栄養を蓄えるのです。そして、林の葉が生い茂る初夏には、地上から姿を消し、次の春までじーっと待ちます。

このようなサイクルを持つ植物は「スプリングエフェメラル」と呼ばれ、直訳すると「春のはかなきものたち」。カタクリ、キスミレ、イチリンソウ、セツブンソウ・・・どれも花は小さく華奢なイメージ。

 

そして、そして、フクジュソウはヒマワリのように、太陽の方向を向いて咲くんです!

花の内側はつやつやした質感で、太陽から受けた熱を花の中心に集める仕組みになっているそうです。まだまだ寒い時期に咲きますが、花の中心あたりは集まった熱で暖かいので、昆虫も暖を求めて集まってきて、ついでに花粉を運んでくれるのです!・・・賢すぎるっ(ω゚ノ)ノ!

 

・・・この日はあいにくの小雨、花は開いていませんでした。残念。(咲いたら右上の雰囲気)

 

阿蘇は今、野焼きの真っ只中!天気の良い週末には、どこかで煙が上がっています。

草原も春の準備です♪