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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

火山噴火に備えて【霧島地域】

2016年01月26日
霧島錦江湾国立公園 アクティブレンジャー 橋之口

今日から5年前の1月26日に、霧島山の新燃岳が約300年ぶりに爆発的噴火を起こしました。

当時、新燃岳火口から出た軽石や火山灰は広範囲に降り、特に風下だった宮崎県都城市、高原町方面に多く降り注ぎました。幸い、人命への被害はありませんでしたが、人々の生活や、畜産、農作物などに大きな影響を与えたと聞いています。

私も、連日テレビや新聞で噴煙をあげ続けるすさまじい火山の姿を見て、恐ろしく思った事を覚えています。

(▲2011年1月26日、新燃岳噴火時:韓国岳山頂より)

 

この日のことを忘れることなく、そして、いざという時に備えるために、えびの高原の施設では毎年避難訓練を実施しています。

今年も、硫黄山が水蒸気噴火した想定で避難訓練を実施しました。

 

去年、観光に来られていた外国人の方に避難訓練をしていることが伝わらなかった反省点をふまえ、今年は英語での放送と、プラカードを提示することを加えました。

(▲英語プラカード。訓練後に撮影しました。)

 

実施後の反省会では今後の検討内容として、夜間も想定した連絡網の改善、ヘルメットなどの防災道具の充実、英語以外の外国語(中国語や韓国語など)での案内方法の準備などが挙がりました。

(▲屋内に避難している様子)

 

訓練とわかっていても、緊張するものがありました。過去の災害を忘れず、未来に引き継がれるように伝えていくことと、火山を正しく恐れ、いざという時に備えて準備をしておくことの大切さを改めて感じた1日でした。