九州地域のアイコン

九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

新春野鳥観察会「ムーチービーサーで、ちゅううがなびら」

2016年01月22日
沖縄南部 アクティブレンジャー 知念

沖縄では旧暦128日はムーチーの日です。(今年は117日)

その頃の沖縄は最も寒くなる時期で、その寒気のことをムーチービーサと呼んでいます。今年は暖冬で寒くならないのでは...と思っていましたが、暦どおりのムーチービーサがやってきました。昔の人はすごいですね。

月桃の葉に包まれたムーチー(2016年1月撮影)          ▲ムーチー

ムーチーとは、月桃の葉で包んだお餅のこと。鬼を餅で退治したという民話から鬼餅とも呼ばれる。

 

ムーチーをこの時期に作り仏壇や神棚にお供えし、家族の無病息災、健康長寿を祈り、厄払いをするために食します。また、赤ちゃんが生まれて初めて迎えるムーチーの日を「初ムーチー」といい、親戚やご近所に手作りのムーチーを振舞います。

 

今回の新春野鳥観察会は、漫湖水鳥・湿地センターと沖縄南部自然保護官事務所共催第2弾。

ムーチービーサの頃は北方から渡ってくる渡り鳥が多い時期です。観察会では、漫湖の野鳥を観察すると共に、自然と深く関わる沖縄の文化のムーチー作りを体験し、一年の健康祈願をします。

 

まず、ムーチー作りから始まりました。

月桃の葉の上にこねたモチを置き、ムーチーをつくる女の子(2016年1月撮影)ムーチーを作る幼児と手伝うレンジャー(2016年1月撮影)小さな子どもから大人まで、みなさん楽しみながら、また手際よく作っていました。

 

ムーチーを蒸す間に野鳥観察をします。帰ってくる頃には、熱々のムーチーが出来上がっているのを楽しみに参加者は出かけて行きました。

〇人気のミサゴ     〇フィールドでの観察の様子    〇独特なくちばしが人気のダイシャクシギ

羽を広げ青空を飛ぶ人気者のミサゴ抱っこされ望遠鏡をのぞく小さな参加者(2016年1月撮影)独特なくちばしが人気のダイシャクシギ(2016年1月撮影)

 

観察を終えて参加者が戻ってくる頃、部屋中にムーチーの香りが広がり、「うゎー、ムーチーの匂いだー。」「いい匂いー。」と歓声があがりました。

香りいっぱいの部屋で振り返りをする講師の比嘉さん(2016年1月撮影)香りいっぱいの部屋で観察会の振り返りが始まり、講師 沖縄野鳥研究会の比嘉邦昭さんが大きな写真や図鑑を使って詳しく解説してくださいました。そして会の終わりには参加者へ「沖縄県の野鳥図鑑」の提供があり、思わぬプレゼントにみなさん大喜びでした。比嘉さん、ありがとうございました。

自分で作ったムーチーをおいしそうに戴く参加者(2016年1月撮影)いよいよお待ちかねのムーチータイム。ちょうどお昼時でお腹が空いている時間も重なり、みなさん出来立てのムーチーをおいしそうに食べていました。自分で作ったムーチーは格別ですよね。

 

これからのムーチーの季節には漫湖の自然や野鳥観察会のことを思い出していただけると嬉しいです。

今回はお土産もあり、笑顔いっぱいの観察会になりました。

みなさん!また、漫湖に遊びにいらしてください。