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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

野鳥観察会「シギ・チドリのなかまたち」

2015年12月10日
沖縄南部 アクティブレンジャー 知念

 ラムサール条約に登録されている漫湖は、カニやゴカイなどの底生生物が豊富で、渡り鳥にとって国際的に重要な飛来地となっています。漫湖水鳥・湿地センターでは、毎年渡りの季節になると定期的に野鳥観察会を行っており、11月下旬に沖縄南部自然保護官事務所と共催で「秋の野鳥観察会『シギ・チドリのなかまたち』」と題して野鳥観察会を行いました。

パワーポイントを使って説明をする講師(2015年11月撮影)

          ▲パワポを使った説明

 講師は沖縄野鳥研究会の嵩原さん。沖縄の鳥類相の特徴や渡り鳥についての説明などをパワーポイントを使い、とても丁寧にわかりやすく話してくださいました。

 

 さて、実際にフィールドへ出て観察開始です。11月下旬ということで、参加者の持ち物の中に防寒着をお願いしていましたが、当日は最高気温が27℃を越える晴天で、熱中症が心配されるお天気となりました。こまめな水分補給の声掛けや、帽子を被っていない方へ帽子の貸し出し等、スタッフは参加者一人ひとりの様子を見ながら観察会が続きます。

木道からセンター前の干潟の鳥を観察する様子(2015年11月撮影)

          ▲木道からセンター前の干潟の鳥を観察

漫湖南岸から広い干潟を観察する様子(2015年11月撮影)

          ▲漫湖南岸から干潟を観察

初めて双眼鏡を使い観察する小学生(2015年11月撮影)

          ▲初めて双眼鏡を使って干潟の鳥を観察する小学生

 なかなか見つけられない遠くの鳥は望遠鏡を使って見ていただきます。「 いた!いた!」と歓声が上がるとこちらまで嬉しくなると同時に、スタッフとして安堵感を感じます。

 

        ■観察できたのは8種

        ダイシャクシギ・チュウシャクシギ・アカアシシギ・アオアシシギ・

        ダイサギ・コサギ・ミサゴ・シマキンパラ

 

観察会のまとめの様子(2015年11月撮影)

          ▲センターでのまとめ「鳥合わせ」

 1時間半近くの観察を終え、センターエントランスで鳥類の写真を見ながら「鳥合わせ」という振り返りをしました。たくさんの種を見ることは出来ませんでしたが、嵩原さんの詳しい説明に参加者は聞き入っていました。

 

 今回、参加者アンケートで特に印象に残ったのは、「よく見ると、鳥がかなりいることを知った」ということです。実際、私自身がそうでした。ぱっと見る泥干潟には白いサギ類こそ目に留まりますが、そこで見ることを止めると他の生きものがいることに気づかないのです。じーっと干潟を観察していると、泥に近い目立たない色をしたシギ・チドリ類たちがちょこちょこ動き回る姿が見えてきて、それを知った瞬間から観察がとても楽しくなってきます。目が慣れてくるとそれまで見えなかったものが見えてきて、世界が広がるのです。その喜びをを多くの方に味わって欲しいと思います。

 

12月も野鳥観察会が漫湖水鳥・湿地センター主催で行われます。

冬の野鳥観察会「雪の国から、フユドリトリ。」

漫湖水鳥・湿地センターHP

http://www.manko-mizudori.net/

 

雪国から渡ってきた水鳥たちを観察しませんか。