アクティブ・レンジャー日記
ツシマヤマネコ、野生に帰る!
2015年08月26日
対馬
対馬自然保護官事務所の蔭浦です。
今日の対馬は台風一過で気持ちよく晴れています。
対馬野生生物保護センターでは、衰弱やケガで保護されたツシマヤマネコを保護・治療し、無事回復できた個体を野生に戻す取り組みをしています。個体によっては、野生に戻す際、無事生存できるかを追跡調査によってモニタリングを行っています。
先日8月16日、野生復帰後およそ1年間追跡していたヤマネコ(個体番号:My-68)の最終検査捕獲を行い、健康状態に問題がなかったため、発信器を外し追跡モニタリングを無事終了しました。
↑全身検査の様子
↑発信器を取る
↑最後の放獣(向かって左側にヤマネコが写る)
この個体は、2015年1月2日に民家裏で衰弱しているところを保護されました。治療ののち、野外で餌を捕る能力を確認するためのトレーニングなどを行い、7月10日にようやく野生に復帰することができました。
↑治療中のMy-68
放獣から1週間後に現在の定住場所に落ち着き、2度の検査捕獲を経て、野外でも自分の力でしっかり生きていける姿を見せてくれました。
私が2014年4月に着任後、野生復帰からモニタリング終了までを見届けた初めての個体がこのMy-68であり、追跡調査や検査捕獲をする中で私自身の未熟な部分をたくさん思い知らされました。野外の厳しい環境の中生きるMy-68を見習いながら、この1年間で私も一緒に成長させてもらった気がします。
これらの追跡調査のデータや検査捕獲の結果は、今後保護したヤマネコを野生復帰させるときの重要な知見となります。対馬野生生物保護センターでは、現在あと2頭の追跡調査個体がいます。地道な調査ではありますが、未来のヤマネコ保護に役立てられるようこれからも頑張りたいと思います。