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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

「いのりの灯火」に参加して【雲仙地域】

2015年06月12日
雲仙 アクティブレンジャー 瀬戸口

こんにちは!雲仙の瀬戸口です!

雲仙も雨が多くなり、白い"(やま)法師(ぼうし)"の花が咲きはじめました!

名前のとおり、白い頭巾をかぶったお坊さんのようですね♪

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左:お坊さんのようなヤマボウシ 

右:九千部岳山頂から眺めたヤマボウシ大群落 撮影者:福田 紀昭氏

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これから雲仙岳では、あちらこちらでヤマボウシの花が山いっぱいになるので、とても楽しみです♪

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さて、先日6月3日、島原市内で行われたイベント「いのりの灯」に参加してきました。

平成3年6月3日の普賢岳大火砕流から、今年で24年を迎えました。

「いのりの灯」は、雲仙岳災害記念館を会場に、噴火を知らない子ども達が、

災害の話を聞きながら約1000本のキャンドルを作って火を灯し、

43名の犠牲者の方々に祈りを捧げるイベントで、平成19年から毎年行われています。

(※雲仙岳災害記念館...雲仙岳の噴火災害の伝承、防災教育のための施設で、

  ジオパークの中核拠点です。運営は、噴火当時に全国から寄せられた

  義援金を活用して行われています。⇒ http://www.udmh.or.jp/

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17:20からの前半部では、島原半島内の高校生のブラスバンドや、社会人サークルの合唱、

マンドリンの演奏など、幅広い世代の方々の音楽が記念館内で奏でられました!

(社会人サークルの一員として、島原市の古川市長や吉岡元市長も歌われましたよ^^)

締めくくりに、長崎県出身のシンガー・ソングライターさだまさしさんが、普賢岳災害の被災者の

ための「応援歌」としてつくられた「SMILE AGAIN」を、会場の皆さん約300人で歌いました。

この曲を歌いながら噴火当時の状況に思いをはせ、会場がひとつになったような感じがしました!

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左:高校生ブラスバンド演奏  右:「SMILE AGAIN」全員合唱

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19:00からの後半部では、島原半島内の幼稚園・保育園生、小学生、中学生が作った

約1000本のろうそくに、ちびっこ達と一緒に火を灯しました。

ろうそくの1本1本に、子ども達の噴火災害への思いなどが描かれています。

雲仙岳(平成新山)まで続くろうそくの火の列は、当時の熱い火砕流をも思い起こさせながら、

犠牲者の方々への鎮魂の灯火として、温かく、また柔らかい光を感じました!

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左:ちびっこと一緒にキャンドルへ火を灯し中 

中:ひとつひとつのキャンドルに子ども達の願いが描かれています!

右:雲仙岳(平成新山)まで続くろうそくの火の列

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全国的に今、火山が活発化して注目されていますが、その一方で島原半島を訪れる県外の10代の

学生さんたちからは、「島原半島でも噴火災害があったことは、知らなくて驚きました!(*_*)」と

聞くことが多いのが現状です。島原半島の住民の方々は、何度も噴火災害を乗り越えながら、

火山と共生する知恵をあみ出し、温泉や湧水、農作物といった火山の恵みを活かして

生活して来られました。そのことを知り体験できるのが、"ジオパーク"なのです。

半島内には、そのような見所(ジオサイト)がいっぱいあります。

半島内をグルグル回りながら、火山の災害と恵みについて、是非ご覧頂ければと思います。

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右:道の駅ふかえ 噴火による土石流災害の爪跡を保存した「土石流被災家屋保存公園」

左:九十九島 噴火活動(眉山崩壊)によって、生まれた風光明媚な景観

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「いのりの灯火」に参加してくれたこども達が、噴火災害について考えるきっかけとなり、

火山の脅威と恵みについて、他の地域の方々に紹介できるような大人に

成長してくれたらいいなぁと思います。