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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

外来植物の駆除 【奄美地域】

2015年06月11日
奄美

うがみんしょ~らん!(こんにちは!)奄美野生生物保護センターの木元です。

今年の4月に来たばかりで奄美の自然についてまだまだ知らないことばかりです。

蒸し暑い日が続きますが、暑さに負けぬよう気合いを入れて楽しく働いていきたいと思います!

先月は、地域の方や役場の方と協力して外来植物であるオオキンケイギク、ボタンウキクサ、シンテッポウユリの駆除作業に励みました。

もともと奄美大島に生育していなかったこれらの植物が、人為的に持ち込まれ定着してしまうことにより、奄美に生育している在来の植物に悪影響をもたらすことが懸念されています。

鮮やかな黄色い花が目立つ、特定外来生物のオオキンケイギク

道路の路肩にまとまって咲いているのをよく見かけます。

今回駆除作業を行った場所には、まだつぼみのものや、草丈が数センチの未熟な株が多く、見た目以上にたくさんのオオキンケイギクを見つけ出し駆除することが出来ました。

根っこから慎重に、時にはスコップを使って丁寧に抜き取りました。

目が慣れてから、一度取り除いた場所にもう一度戻るとたくさんの取り残しがあることに気がつきます。なるほどこういうものがまた来年に大きくなってしまうのだなと、思い知らされます。

同じく特定外来生物のボタンウキクサ(別名:ウォーターレタス)

小さい時はなんだか可愛らしい印象ですが、今回のような田んぼや川、沼といった水のある環境で根っこを枝分かれさせ、どんどん増えてしまいます。放っておくとすぐに大変なことになりますので、油断はできません。

駆除作業の様子

3枚の田んぼに突如として現れたボタンウキクサを踏みつぶさないように気をつけながら一つずつ丁寧に駆除しました。実際に田んぼに入るとまだ数ミリのボタンウキクサも見つかり、太陽がさんさんと降り注ぐ中それらを見つけ出し駆除するのはなかなか骨の折れる作業でした。

総合対策外来種のシンテッポウユリ(別名:タカサゴユリ)

在来種のウケユリとの雑種や病気の媒介が懸念されており、まだ花が咲く前に除去します。

細くてツヤのある葉が特徴的で、テッポウユリなどとは簡単に区別をすることができます。こちらも狭い範囲に思っていた以上に生育していました。

深く根がついているものは周囲からスコップで彫り上げるようにして抜き取ります

外来植物は、1度駆除作業を行っただけではとても根絶はできません。数年間の駆除の成果がようやく見えてきたと思える場所もあります。

外来種は「入れない、捨てない、広げない」ようにすることが大切です。これからも根気強く駆除を続けることで、奄美の在来植物がのびのびと生育できる環境を作っていきたいと思います。