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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州いきものリレー ② ~生態系を支えるいきもの~

2015年05月25日
阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 田中

みなさまこんにちは。くじゅうの田中です。

第二回目のいきものリレーで紹介するいきものは、こちら。

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和名: トノサマガエル

分類: 両生綱 無尾目 アカガエル科

分布: 本州(関東地方から仙台平野、信濃川流域を除く)、四国、九州と一部の周辺島

嶼(平戸,種子島など)、朝鮮半島、大陸中国。

形態: 体長雄55~80mm,雌60~90mと、日本のカエルの中では大型。(ヒキガエルと外来種のウシガエルを除くと日本最大)

背中に1本の縦すじがあり、緑色が雄、白・黄色が雌。

生態: 水辺で生活し、活動時期には水田や水路、ため池などで見られる。繁殖期は4~7月で、この時期になると雄が集まり「グルル...」という声で鳴く。肉食性で昆虫やクモ、ミミズ等、他のカエルをよく捕食し、小型のヘビを捕食することもある。

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「トノサマガエル」の名前の由来は、大きくて悠然としているので、殿様に例えたというのが有力説だそうです。

特徴はなんと言っても背中の一本すじ。これはオタマジャクシの時から見られる特徴でもあります。

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また、日本では古くからなじみの深い種で、あの『鳥獣人物戯画』に描かれているカエルも、トノサマガエルだと言われています。確かに背中に一本すじがありますね。

近年では全国的な圃場整備事業、開発等によって生息に適した水田環境が減少し、個体数が減少しています。そのため、近年トノサマガエルはIUCN、環境省レッドリストでは準絶滅危惧種、大分県では絶滅危惧Ⅱ類に指定されました。

カエルは、自然界の食物連鎖の中で、昆虫などを食べる「捕食者」だけでなく、トビ、鳥類、小動物の餌としての「被食者」の役割も果たしており、生態系を支える「キーストーン種」であります。トノサマガエルは大型なカエルだけに、数が減ると生態系への影響も大きいということになりますね。

こういった普段はあまり意識しない生態系を支えている小さないのち、意識的に見てみるととても素敵で大切で、守っていかなければならないいきものだと私は思います。