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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

雲仙の阿蘇くじゅう? 田代原について【雲仙地域】

2015年05月14日
雲仙 アクティブレンジャー 瀬戸口

こんにちは。雲仙の瀬戸口です!

いよいよ春も深まり、雲仙では紅白のツツジのお花が雲仙岳を賑わせています。

「ミヤマキリシマ(赤)」と「ヒカゲツツジ(白)」のめでたい彩りです!

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(左:仁田峠のミヤマキリシマ 右:霧氷沢のヒカゲツツジ群落)

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ミヤマキリシマは、"長崎県の花""雲仙市の花"に選ばれているように、雲仙を代表するお花なのです!昨年度の記事にも書いていましたが、雲仙地獄の中でも咲き誇る、たくましいミヤマキリシマは、今年も様々な場所でピンクのお花を咲かせていますよ~!(ご参照⇒ http://kyushu.env.go.jp/blog/2014/05/29/

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さて、80年以上前のお話ですが、島原半島の山岳地域には、現在の阿蘇くじゅうのように広大な草原地帯が広がり、その草原の中にはミヤマキリシマ群落が至る所に広がっていました。これは、実は牛や馬が放牧されていたからなのです。(牛さん達は、毒があるミヤマキリシマは食べず、他の樹木の芽は食べてしまうのです!)

放牧をやめると木が伸びて、草原⇒ヤブ⇒森になり、ミヤマキリシマは、他の木々で埋まっていってしまうのです(;_;)現在、島原半島で放牧草原が残っているのは3箇所のみ。(仁田峠は放牧を早々にやめてしまいました。)その中でも「田代原(たしろばる)」と言われる場所は、牛と草原とミヤマキリシマのお花たちがセットとなった、かつての島原半島に広がっていた風景が、唯一現在も残っている貴重な場所なのです。

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(▲田代原 撮影者:NPO奥雲仙の自然を守る会 柴田氏)

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しかし、ここ田代原でも放牧頭数が減少し、放牧だけで草原やミヤマキリシマを維持することは、難しい状況です。現在は、人の手も入り、田代原の自然景観は守られています。

田代原の自然景観の大切さを広めようと活動されている「NPO奥雲仙の自然を守る会」の皆さんは、ミヤマキリシマに巻き付いたイバラのツルを手刈りで取りのぞき、草刈り機で伸びた草を、日々刈られています。私も体験しましたが、絡みついたツルは非常に強く巻き付いていて、取り除くのに根気がいる作業でした(+_+)しかし!!その分、やりがいがあり、春になり草原に一面に咲く田代原のミヤマキリシマを見ると、「やったね!\(^_^)/」と達成感でいっぱいになります!!雲仙地域パークボランティアの皆さんと一緒に参加しましたが、パークボランティアの皆さんの中では、田代原の活動は大人気です!

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(左:イヌツゲが絡んだミヤマキリシマ 右:パークボランティア作業の様子)

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「NPO奥雲仙の自然を守る会」の皆さんは、よくイベントも開催されています!皆さんも、雲仙の"ミニ阿蘇くじゅう?の田代原"に、ゆっくりと足を運んでみてはいかがでしょうか?

(ご参照⇒ http://www.okuunzen.org/  https://ja-jp.facebook.com/okuunzen

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(▲放牧の牛さんとミヤマキリシマ群落)

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人の手が入らないと失われていく自然景観が、島原半島にもまだまだ沢山あります。

様々な方に「ここの自然景観は、大事だよ!」と思って頂けるよう、そして次世代に引き継げるよう、活動していきます (*^_^*)

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【参考情報】各地ミヤマキリシマ開花情報(5/13現在)

・田代原...満開

・池の原...満開

・仁田峠...8部咲き

・妙見岳、国見岳...4~5部咲き(見頃予想:5/15~5/20日頃)

(地獄、宝原は満開を少し過ぎました。)