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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

「意外と知らない、ネコのはなし」実施報告【徳之島地域】

2015年01月19日
徳之島 アクティブレンジャー 吉野

みなさん、こんにちは!

徳之島自然保護官事務所アクティブレンジャーの吉野です。

今年もよろしくお願いします。

1月10日、11日の2日間にかけて島内4会場で実施した

ネコについての勉強会『意外と知らない、ネコのはなし』について報告します。

徳之島や奄美大島では、山中で野生化したネコ(ノネコ)がアマミノクロウサギやケナガネズミをはじめとする希少な野生動物を捕食してしまう事例が発生しています。

野生化してしまうネコを減らし希少種を守るには、住民一人ひとりがネコという動物について理解し、ネコを適正に管理していくことが大切です。

徳之島の3つの町では、平成26年度にアマミノクロウサギ保護やノネコ対策を目的とした「飼い猫適正管理飼養条例」を制定し、役場での飼い猫登録を義務づけ、マイクロチップ装着、不妊化手術、室内飼育を推奨しています。

私たちの身近な動物「ネコ」。きちんと飼うにはその生態を理解する必要があります。今回は講師に奄美動物病院の獣医師 伊藤圭子先生をお招きし、ネコという動物の生態や適切なネコの飼い方などについてお話をしていただきました。

はじめに渡邊保護官より世界自然遺産とノネコ問題について解説。

ノネコがクロウサギなどの希少種を捕食している事例などを紹介しネコを適正に管理することが世界遺産登録につながると強調。

続いて、伊藤先生よりネコのお話。

伊藤先生がご自宅で実際に飼われている3匹のネコちゃんたちの事例や動画なども

交えながらネコの成長過程や習性などを分かりやすく解説していただきました。

ネコは栄養状態が良いと年に3,4回繁殖し、1回の出産で3~6頭の子どもを産みます。

無尽蔵にネコを増やさないために、ネコを飼ったら繁殖制限は必須。ネコはもともとペットとして人が管理すべき動物であり、病気や事故から守るためにも室内飼育をすべきだとおっしゃっていました。

島では、「ネコ=外で飼う動物」という認識の方がほとんどだと思いますが、危険の多い屋外で生活するのはネコにとっても決して幸せなことではありません。特に、ノネコの問題が深刻な徳之島・奄美大島においては、「ネコ=室内で可愛がるペット」という意識を持ち、大切な家族の一員としてしっかりと面倒を見てあげることが、ネコにとっても野生生物にとっても必要なことだと思います。

もちろん、飼えなくなったからといってネコを捨てることは犯罪です。

ネコも野生生物も人間も共に幸せに生きていくためには、私たちがあずかった命に対してしっかり責任を持つことが大切だと改めて感じました。