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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

河川環境学習in湯布院【くじゅう地域】

2014年11月28日
くじゅう
くじゅう地域には湯布院という地区があり、そこでは公益財団法人ゆふいん財団という団体が地域の子ども達を対象に、河川について様々な環境教育を行っています。先日11月16日、この人財育成ゆふいん財団の主催する「大分川河川環境学習会in湯布院」に参加してきました。
今回のテーマは「外来種」。
外来種とは、もともとその地域にいなかったのに、人間の活動によって他の地域から入ってきた生物のことを指します。有名な生きものとしては、
・ウシガエル(昔食用として外国から持ち込まれたものが野生化)
・アライグマ(動物園の飼育個体やペットとして外国から持ち込まれたものが野生化)
・オオハンゴンソウ(観賞用植物として外国から持ち込まれてきたものが野生化)
上のように生活の上で人間の手によって持ち込まれた生物も、輸入品等に紛れて非人為的に入ってきてしまった生きものも、すべて外来種といいます。これらの外来種が引き起こす問題はつぎのようなものです。
①在来種との交雑による遺伝子汚染
②在来種を捕食し排除・減少させてしまう
③在来種の生育環境を奪い、競争的に排除・減少させてしまう
④農産物被害といった産業被害
⑤攻撃・毒といった人間への直接的被害
このように生態系や経済に重大な影響を与えることがあり、環境問題の大きな項目として扱われています。
 現在、湯布院の有名な観光スポットである金鱗湖とその周辺の河川には、ティラピアなどの外来生物が増えており、在来生物への影響が懸念されています。
外来種が入ると、池や川の生き物たちはどうなるかということを子ども達に体で学んでもらうために、押し相撲のような簡単なゲームを行いました。参加者の子どもや保護者が在来魚役になり、外来魚のティラピアが金鱗湖に侵入したらどうなるかという想定です。その名も「外来種ゲーム」。
3つの陣地を作り、1つの陣地の中に4匹の在来種を配置し、各陣地に1匹のティラピアが入り込み、在来種は陣地から押し出されないようにするというゲームです。在来種外来種ともに移動は片足ケンケン、また外来生物の生存力や繁殖力の強さを考えて、外来種は両手で在来種を押しだし、在来種は片手で押し出されないようにするというもの。全員が円から押し出され、外来種に陣地内を制圧されたら在来種の負けという1ゲーム3分のルールです。


もちろん外来種役には新田レンジャーと私-田中も加わりました。在来魚がすべて陣地外に追い出されるまで3分もかからずにゲーム終了。
子どもたちは、外来種の恐ろしさと、本気になった大人をなめてはいけないという事をその肌で実感してくれたと思います。
その後は大分川にはどのような生きものが生息しているのかを生体展示や釣りを通して在来種や外来種、水環境について学んでもらいました。参加した子ども達はもちろん、主催した大人達にとっても、大分川や外来生物について考える機会になりました。
楽しいひとときをありがとうございました!