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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

子どもパークレンジャー!【屋久島地域】

2014年02月21日
屋久島
みなさん、こんにちは!
屋久島自然保護官事務所の水川です。

今回は、2月1日~2日の1泊2日で開催した
「子どもパークレンジャー」の報告です!

今回の子どもパークレンジャーは、
「野生動物が生きる森の姿を知ろう~サルの食卓~」と題して
屋久島西部地域のサルやシカを観察しました。

西部地域はヤクシマザルが多く生息する地域ですが、
群れに出会えるかどうかは運次第。
サルの観察ができなかったらどうしよう‥
と内心ハラハラして現地に向かいましたが、
この日は歩き始めてすぐにサルの群れとシカに出会うことができました。

サル、シカを見つけるやいなや、
双眼鏡をのぞき込んで食い入るように観察する子ども達。
講師を務めて頂いた屋久島生物多様性保全協議会の手塚氏の指導のもと、
あまり近寄らず、声をひそめてそっと観察しました。

サルやシカの糞を採集し、水で洗ってみると、
色んな種類の葉や種子が出てきました。
植物を食べる動物と、種子を遠くへ運んでもらう植物という
生きもの同士の関係を学びました。



左下の写真は、沢の水で糞を洗う様子。茶こしに糞を入れ、割り箸でかき混ぜると、内容物が出てきます。
右下の写真は、糞の内容物を観察している様子。体の大きさや個体ごとに好き嫌いが違うのか、大きな種子ばかりの糞、小さな種子ばかりの糞など、糞によって内容物が違っていました。シカとサルでも内容物が異なり、木に登って実を食べることができないシカの糞からは、種子ではなくコケや葉を細かくしたようなものが出てきました。

西部地域から活動場所を屋久島環境文化研修センターに移して、
シカ糞で和紙作りにも挑戦しました!
シカの糞はもともと臭いがあまりしませんが、
和紙作りに使用した糞は入念に洗って乾燥させたので無臭です。
最初は糞に抵抗を示す子もいましたが、作業を始めればもう大丈夫。
全プログラムの中で一番楽しかったと話す子もいるほど、
楽しんでもらえました。

2日目は絵日記を作成し、1人ずつ発表しました。



左は和紙作りの様子。はがきサイズの紙すき道具は、屋久島環境文化財団さんの手作り!
右は絵日記発表会の様子。描いた絵はプロジェクターに映し出しました。



もちろん、環境省の仕事紹介も忘れずやりました。国立公園やパークレンジャーのことを紹介しました。

今回は、林道から海岸部までの急な山道を下って登ってと
子ども達には少々ハードなプログラムでしたが、
誰ひとりリタイアすることなくやりきってくれました。
みんなどうもありがとう!

また発表会では、
「この先もずっとこの自然を残したい」と発表してくれる子が
たくさんいました。

屋久島に住む子ども達にとって、
屋久島の自然は身近で当たり前のものかもしれません。
しかし、屋久島がどれほど貴重で特別な場所かを自然の中で“体験”することで、身近な自然がとても大切なものだということに改めて気付いてくれたのかもしれません。

活動にご協力頂いた手塚さん、公益財団法人屋久島環境文化財団のみなさん、
どうもありがとうございました。