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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

国東半島峯道ロングトレイル開通【くじゅう地域】

2013年11月30日
くじゅう
くじゅうでは今シーズン2回目の積雪で、保護官事務所の周りもまっ白です。
今年は秋が足早に去り、一気に冬を迎えました。
事務所は室内にも関わらず、平気で氷点下になるので、水道の凍結対策など冬は神経を使います。

ところで先日、くじゅう連山から北東60kmの場所にある国東半島へ巡視に行ってきました。
国東半島は、一部が瀬戸内海国立公園に含まれ、当事務所の管轄でもあります。また、その周囲や海岸部は国東半島県立自然公園に指定されています。
この場所は、奇岩絶鋒の特異な山容を代表する地形をはじめ、山々から望む瀬戸内海の眺望、常緑照葉樹と落葉広葉樹が入り混じった植生などの優れた自然景観を有しています。
その上に、神道と仏教が共有する「神仏習合」の独自の寺院集団と信仰が形成された、自然・文化的にも特徴的な地域です。
また、今年5月には、姫島とともに半島一帯が世界農業遺産にも登録され、さらには今回ご紹介する「国東半島峯道ロングトレイル」が11月30日に一部開通と、まさに今、注目の場所です。



ちなみにロングトレイルとは、登山道や林道、里道などをつなぎ合わせた距離の長い自然歩道のこと。
国東半島峯道ロングトレイル(以下、峯道トレイル)は、「国東半島で古くから行われてきた、六郷満山(天台宗寺院の総称)峯入行のコースをベースとし、それにトレッキングやウォーキングの醍醐味を味わうことのできる登山道や遊歩道を追加するなどの工夫を加え、楽しく、そして心地よく歩けるトレイルとして再構成したもの」です。

今回開通するコースは、国東市と豊後高田市にまたがる全10区間(全長134km)のうち2区間。自然と歴史文化を肌で感じられるポイントをつなぎ、コースを考案したトレイル事務局(正式名称:国東半島峯道トレイルクラブ)もイチオシのコースです。
その中から抜粋したスポットをご紹介します。



▲大不動窟(だいふどうくつ)[国東市]
岩壁に穿たれた岩屋から奇岩絶峰を望む、すぐれた景観が広がります。神秘的で神々しい雰囲気に圧倒されます。



▲中山仙境(なかやませんきょう)[豊後高田市]
修験者の峯入行のコースでもあり、断崖絶壁の峰と峰をつなぐ石橋の「無明橋」など、道は険しくスリリングな尾根歩きが楽しめます。

「ロングトレイルブームが来る!」と世間でも話題になった2012年。
今年もあと1か月余りになり、坦々と時は過ぎていくなぁと感じるところですが、ロングトレイルのよいところは、それぞれのペースで完歩ができること。
ロングトレイルを安全に楽しむには、まずは情報収集をしっかり行うことが肝心です。
国東半島峯道ロングトレイルについては、下記のホームページをご覧ください。
コースMAP、ルール&マナー等について閲覧できます。
http://www.kunisakihantou-trail.com