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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

国立公園内パトロールin大観峰 【阿蘇地域】

2013年07月29日
阿蘇
みなさん、こんにちは。阿蘇事務所の藤田です。「阿蘇に七鼻八石あり」と言い伝えられていますが、何のことか分かりますか?「鼻」とは、外輪山がカルデラ内に突き出た部分をいい、「石」とは、神話などの伝説やさまざまな言い伝えのある奇石や巨石のことを言います。

さて今回は、阿蘇の七鼻のひとつ「遠見ヶ鼻」(現在の「大観峰」のことで大正11年に徳富蘇峰により命名され、阿蘇谷を一望できる観光スポットとなっています。)を、パークボランティアさん3名と登山ルートのパトロールを行いました。

大観峰展望所          登山ルート(標高935.9m)

阿蘇市内牧地区をスタートし、林道を歩きます。昔は、難越坂(なんごしざか)と呼ばれていて草刈りをするときに牛を連れて登った道だそうです。名前の通り、だんだん坂の勾配がきつくなっていくのですが、舗装や砂利が敷かれ通りやすくなっています。杉の手入れもされていて、ほどよい日差しが入ります。ウバユリ、オオバギボウシ、シモツケ、トチバニンジン、マタタビ、コマツナギなどの植物も見られました。
崩落が1カ所ありましたが、歩道に問題はないようです。
歩くこと1時間半、国道212号線に合流します。ここは、小国や菊池方面に繋がっている幹線道路のため車通りが多いので注意が必要です。少し登ると、崩落斜面の補修工事が行われていました。その横をすり抜けると登山道があります。(小さい看板あり)

   登山口         巨岩       岩場を乗り越えて


細い道を抜け、杉林の根っこの間をぬっていくと、先頭の巨岩が堰き止めている感じでいくつもの巨岩が連なっています。「それが外れたらどうなるの?」って心配せずにはいられません。急勾配のため、息があがりカメラを持つ手も震えます。「足下注意」「石を落とさない」などの注意書きの看板もついています。

杉林を抜けたら岩場になり、腰の高さもある岩をよじ登ったりしながら進むと、目線の高さにホタルブクロやアソノコギリソウ、ナンテンハギなどが見られます。草原に出ると頂上まではあと少し。登山道からは30分程度の道のりです。草原の風と壮大な展望に疲れも癒やされる気がします。


            登山道からの阿蘇五岳


今回は、林道から登りましたが登山口近くに駐車場があるので、そこから登ることもできます。1本道なので分かりやすいです。歩道の妨げになるような草や枝などはなく、きれいに整備されていました。帰りも同じ道を下りましたが、急な坂が多く滑りやすいので、ストックや杖などがあるとよいでしょう。
登山者には遭遇しなかったのですが、この時期に登山される場合は、暑さ対策や水分補給をしっかり行ってください。

夏休みに入り、阿蘇へは観光や合宿・キャンプなどの利用も増えてくるかと思われます。朝晩冷えますので上着をお忘れなく。車も多くなりますので、安全面には十分お気をつけくださいね。