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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

太古のえびの高原はどのような姿だったのか? 【霧島地域】

2013年07月05日
えびの
つい先日、梅雨の小雨が降りしきるえびの高原で、研究者の方々とえびの高原の環境変遷を知るためにサンプル採取を行いました。
ノカイドウを保全するために環境省の行っている事業の一環ですので、えびの自然保護官事務所も同行しました。
(※もちろん国立公園内なので正式な手続きを済ませて行っている調査です!)



実は、過去のえびの高原になにが生えていたのかよく分かっていないそうです。
何万年前にどの山が噴火したというのは、地層の順番や堆積物から、明らかになっているそうですが、こと植物に関しては全くなのだそうです。

私たちが知っているえびの高原は、アカマツ、ミヤマキリシマ、ススキなどが繁茂していますが、100年前、200年前、300年前、1000年前にどのような植生環境だったのか、何を調べればわかるのでしょう?



なんと地層の中にある植物の化石(植物遺体…分解されなかったものなど)や花粉を調べるのだそうです!!
(私はビックリしました!)

放射性炭素年代測定法という方法で、この地層は2090年前、この地層は2070年前というような細かい年代まで明らかにでき、植物遺体や花粉を分析することによって、当時生育していた植物の種類がわかるそうです。



足下を何十㎝か掘ったら、何百年前の地層が現れることに驚きました。

この調査では、危機に瀕しているノカイドウが本来どのような環境を好み、どのような時期に個体数を増やしていたのか、またどのような環境で生存してきたのかを把握して、ノカイドウを主体としたえびの高原特有の植生を再生させるために役立てられる予定です。

守るべき環境とは、何か?を考えさせられた一日でした。