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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

雨のくじゅう山開き 【くじゅう地域】

2013年06月05日
くじゅう
6月2日(日)、くじゅう山開きが行われました。
今年の神事は久住山山頂でとり行われ、あいにくの雨の中でしたが、数百人の登山者の方と61回目の山開きを祝いました。



みんなで万歳三唱!!

色とりどりのレインウエアを着て登山道を行き交う登山者の方とお話しすると、宮崎や遠くは大阪から来たという方もいらっしゃいました。
大阪の方は、なんと今回でくじゅう登山12回目とのこと。
春夏秋冬それぞれ違った魅力を発し、どんな人も受け入れてくれるくじゅうは本当に愛されてますね。
みんなのくじゅうではありますが、勝手にうれしく思ってしまいました。

登山道をパトロールしながら下山していると、雨の日ならではの光景がありました。



目の前にあるふたつの道。中央の登山道と右の脇道を歩く人がいます。
なぜ、脇道をあるくのでしょうか?
それは、中央にある本来の登山道が雨でぬかるんでいるからです。
そこを避けようと、脇道に自然と入ってしまう傾向が雨の日にはよく見られます。
ササ原にできた一本の細い道も、一人歩き、二人歩けば次第に広くなって、登山道との間にあるササの壁は崩れ、登山道はさらに広くなっていきます。
するとまだササが残っている場所に新たな踏み跡ができ…の繰り返しで登山道はどんどん拡幅されていきます。
そして、植物もなくなってしまいます。

写真の脇道は快適に歩けるので、自然とその道を選んでしまうのかもしれません。
でも、ここはアスファルトではなく、山の天然の道。
繊細で弱いものを踏みながら歩いているという意識を持ち、それが自然にどのように影響するか考えることも山登りする時には必要だと思います。

一方で、「ロープを張って侵入させなければいい」という考え方もあります。
しかし、ずっとロープ柵で囲まれた中を歩きたいかと言われれば、それは多数の方がNOと感じるのでないでしょうか。
ロープ柵のない登山道になれば、それはくじゅうにとっても、登山者にとっても素晴らしいことです。

くじゅうを楽しむ利用者の方のマナーが向上するように、「なぜ?ダメなのか?」を理解できる啓発が大切だと実感した山開きでした。



くじゅうのミヤマキリシマもピークを迎えていますよ!
(写真は、牧ノ戸峠~久住山登山道沿い)