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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

シダ植物の新芽、まんでぃ! 【奄美地域】

2013年04月13日
奄美
 みなさん、こんにちは。新年度が始まりましたね。奄美自然保護官事務所・アクティブレンジャーの松田です。 

 4月に入り山は様々な植物の新芽に溢れています。今回はアマミノクロウサギの幼獣糞調査中に見かけたシダ植物の新芽を集めてみました。

 「まんでぃ」とは→奄美大島の島口で「たくさん」という意味です。

 シダ植物が繁栄し、大森林を形成していたのは古生代後半の石炭紀(約3億5900万年前から2億9900万年前)と呼ばれる時代で、この後のおよそ3億年の時の流れの中でシダ植物はさまざまな姿に進化し、その一部は種子植物へと進化し姿を変えてきました。しかし3億年の昔に手に入れた、胞子で子孫を残してゆくシダ植物もともとの生き方を続けるものも残り、その子孫が現在のシダ植物だそうです。う~ん、長い歴史があるんですね。


上左:タマシダ、上右:ウラジロ、下左:ヒリュウシダ、下右:ホラシノブ


上左:コシダ、上右:ワラビ、下左:イシカグマ、下右:ヒカゲヘゴ

 この中でも奄美大島以南に分布するヒカゲヘゴは、樹高が5~10メートルにもなる日本で最大級のシダ植物と言われています。また、若芽は食用にもなるようです。

 こうして見てみると、シダ植物の新芽にもそれぞれ個性があるなぁ~、と感じますがいかがでしょうか?個人的にはヒリュウシダとホラシノブの先端の丸まった感じがお気に入りです。


【今日の一枚】



・「アマミセイシカ」
・常緑広葉樹林内の渓流沿いに生える小高木で、奄美大島の固有種。園芸採取などで激減しています。昨年の8月に公表された環境省レッドリスト2012では、絶滅危惧IA類に選定されています。