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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

山に残るさまざまなモノ 【くじゅう地域】

2013年03月25日
くじゅう
野焼き後の香ばしい薫りが漂いはじめた飯田高原です。
暖かな春の陽気に誘われて、登山者も日に日に増えてきていますよ。

さて、アクティブ・レンジャーの業務として登山道のパトロールをしているわけですが、毎回必ずといってよいほど拾う物があります。

それが、落し物も含めた「ごみ」です。



先日、牧ノ戸峠から久住分れまでを歩きましたが、手提げのごみ袋1袋分になりました。

ごみを分類すると...



・飴などの包み紙
・ペットボトル
・空きビン
・ホッカイロ
・お弁当のおかず入れ(バラン)
・手袋
・トレーナー
・タオル
・マスク
・パンやおにぎりの袋
・ストック(杖)のキャップ

と多種にわたります。

特に、飴などの包み紙やおにぎりの袋、ペットボトルは年中拾うことが多いごみです。
そして、冬季に多いのがホッカイロとマスク。
寒さ対策に使用しているものが、ポケットや体から落ちてしまっては本末転倒。
どういう理由であっても、山にごみが残ってしまうのは残念です。

とは言え、現在のくじゅう山では、ごみがそれほど目につくことはありませんが、かつてのくじゅうの山には、現在よりもずっとごみが多かったそうです。
「これではいけない。山をきれいにして、登山する人の意識を変えていかなければ」と、地元住民の方や歴代のレンジャーが清掃登山を始めました。
背負った空き缶などから滲み出す汁が背中を汚し、汚くてキツくて、カッコよいとはいえない活動。
しかし、みなさんのたゆまない努力によって、登山者の方の意識が変わり、現在の美しいくじゅうの山へ変貌を遂げたそうです。

くじゅうには素晴らしい草原・火山景観とそこにすむ動植物が生み出す独特の自然があります。
これからも気持ちよく登山や自然観察を楽しむ事ができるよう、ごみの持ち帰り運動と小さなご協力をお願いします。

「飴の包み紙はポケットに入れず、袋など落ちない場所にしまいましょう♪」


ごみの話が続いたので、最後にキレイな写真をお届けします。



牧ノ戸峠の駐車場から歩道を10分ほど歩いた場所にある展望台からの風景。

黄砂やPM2.5の文字が紙面に踊る今春ですが、撮影日(3月21日)は由布岳まで見える絶景でした。