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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

雨氷(うひょう) 【くじゅう地域】

2013年01月17日
くじゅう
昨日、巡視で訪れた牧ノ戸峠登山口の様子です。



登山道沿いの木々が太陽に照らされて、えらくキラキラ光っています。
はじめは霧氷(氷点下の環境で水蒸気が枝などにぶつかって凍ったもの)かなと思っていたのですが、近づいてよく見ると...



枝が氷のヴェールに包まれています!
氷細工のようでなんとも美しいですね。

実はコレ、「雨氷」と呼ばれるもので、霧氷と似た一種の自然現象です。
雨氷のしくみはというと…
氷点下の環境で雨が降り、それが枝などにぶつかると同時に凍ってできるというものです。
くじゅうに来て2年弱になりますが、これは初めて見た光景で、地元の方も珍しいと話していました。

雨氷は樹木たちにすれば氷がカラダにまとわりついているようなもので、とても重くなります。
登山道沿いにはダラ~っと垂れ下がった枝や中には折れたものがあり、彼らへの影響は大きいようでした。


▲雨氷がついたシャクナゲ(上)とアセビ(下)

1枚の葉っぱを触って揺らすと枝ごと全部が動きました。
丸ごと氷結された感じで、「重いよ~」と声が聞こえてきそうです。
でも、このような厳しい環境下で生きている植物たちの生命力は、なんともたくましいですね。

雨氷は植物だけでなく、電線に発生すると重みで切れてしまうことがあるそうです。そうなると、人間生活にも影響が出ますね。
自然の力は強大で、いつも驚かされます。