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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

霧島の魅力体験フェスタ in えびの高原 【霧島地域】

2012年11月30日
えびの
えびの高原にも、寒い寒い冬がやってまいりました。
フリースとダウンが手放せない日々が続いています。

さて、ちょっと前の話になりますが、去る11月4日(日)、霧島山の恵みと魅力について知ろうというイベント「霧島の魅力体験フェスタ in えびの高原」が開催されました。野外では“えびの高原マーケット”が設けられ、霧島山のふもとの市町村で活躍している様々な団体から出展されていました。



出展団体を列挙していきますと、
【市町村の枠を越えた広域的な連携組織】
  霧島ジオパーク活性化会議
【えびの市】えびの市有機農産物生産グループ、えびの市観光協会、
  えびの市物産振興協会、えびの市鹿皮協会、明石酒造株式会社
【小林市】北霧島ふるさと物産振興協会
【霧島市】西製茶工場
【高原町】極楽温泉、陶園 和、NPO法人たかはるハートム
と多彩です。

その中で、「えびの市鹿皮協会」と「NPO法人たかはるハートム」については、出展者の方にお話を伺ったので、ちょっとご紹介します。



左上の写真は「えびの市鹿皮協会」の展示コーナーです。霧島山に数多く生息しているニホンジカを利用して作られた鹿皮製品の数々。とにかく皮の手触りがよかったです。来場者のみなさんも、珍しそうに鹿皮でできた財布などを手に取って、そのスベスベとした独特の手触りを確かめていました。

右上の写真は「NPO法人たかはるハートム」の展示コーナーです。近年の新燃岳噴火により甚大な被害をうけた高原町において、降り積もった火山灰を利用して調理した「灰干し肉」が、無料にて振る舞われていました。あっという間に長蛇の列ができていました。私も少し食べさせていただきましたが、濃縮されたうまみが食欲をそそる絶品でした。

同じころ、えびのエコミュージアムセンターの中では、“「霧島KIRISHIMA」を考える~みんなで見つけた魅力を活かす~”と題したシンポジウムが開催されていました。
国立公園とニホンジカとジオパークについて、各専門家の講演から始まり、活発な意見交換が行われました。



森林総合研究所九州支所の矢部さんの講演の中で、「毎年、雄シカの角は抜け落ちますが、えびの高原にシカの角が溢れてないのは、シカ自身がカルシウムを補給するために食べてしまうからなんです。」という話には、驚きました!!
(どうりで、藪の中をいくら探してもシカの角が見つからないわけです…)

午前中は何とかもってくれた天気も、午後からは土砂降りとなり、すこし早めの解散になりましたが、霧島地域で行われていることを来場者のみなさんに少しでも伝えることができた、いい一日だったと思います。

今回のイベントは、鹿児島と宮崎の県境に位置するえびの高原での開催であったため、両県から多数の出展があり、来場者にとっては霧島山麓での活動を網羅的に知ることができる機会となりました。
鹿皮に鹿肉、灰干し肉、焼酎に焼き物、野菜や花にいたるまで、ありとあらゆる生産物が霧島山の恩恵にあずかっているということを実感しました。
今後は、えびの高原に訪れた方々に折に触れて今回見聞きしたことを紹介していきたいと思います!!

それでは、今回はこの辺りで。