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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

牧ノ戸峠ミヤマキリシマ保全活動 【くじゅう地域】

2012年10月02日
くじゅう
保護官事務所から見える泉水山(せんすいさん)の山肌もうっすら色が赤茶けてきました。
例年通りにいけば、紅葉のスタートまであと2週間ほど。
昨年の紅葉があまりきれいでなかった分、今年は期待したいところですね。

さて、くじゅうといえば初夏に咲くミヤマキリシマが有名ですが、毎年この時期に国有林を管理する林野庁大分西部森林管理署の呼びかけで、ミヤマキリシマの保全活動を行っています。
今年は9月22日(木)に、九重の自然を守る会や九重・飯田高原観光協会の協力で、50名を超える参加者が集まりました。



作業は、登山道沿いに設けられた試験区(50m×20m×2か所)内で、ミヤマキリシマに覆いかぶさっているササを中心に鎌で刈り出すものです。

近年、くじゅうではササやノリウツギなどの成長著しい植物がミヤマキリシマを覆ってしまい、群落単位でミヤマキリシマが衰退している現状にあります。
そのため保全方法の検討を目的に平成19年度から試験区を設定し、今回で6回目の活動を迎えました。

作業前に「ミヤマキリシマはササの下に隠れている!」という情報を受けて、丁寧に刈っていくと...



ミヤマキリシマの赤ちゃんが出てきました!

違う場所で作業しても同じで、たくさんの幼い個体がありました。
そして、約2時間の作業を終えて周りを見渡すと、はっきり分かるほどのミヤマキリシマの群落が現れました。



「ミヤマキリシマたくさんあるやん!」

と、声に出してしまったほどの株の多さにビックリ!
来年の6月、試験区を訪れて確認するのが楽しみになりました。

ところで、保全作業を始めてから5年経ちますが、その効果について森林管理署の方に話を聞くと、「開花状況が毎年よくなっている」「樹勢の回復や幹回りの成長が良好」との返事が返ってきました。
実際に試験区内のミヤマキリシマには来年の花芽がたくさん見られました。

作業を通じて感じたことは、くじゅう全域のミヤマキリシマを保全するのはとても難しいということ。ただ、特に守るべき場所の群落を優先的に保全することは必要だと感じました。
今後もいろんな団体と力を合わせて、ミヤマキリシマの保全を考えていきたいですね。