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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

草原の草を刈ると花はふえる・・・? 【阿蘇地域】

2012年09月14日
阿蘇
阿蘇では、昔から年に1度野焼きをし、牛馬を草原に放牧し、草原から刈り取った草を堆肥や牛馬のエサとして利用するなど、人が手を加えることによって草原が維持されてきました。
そんな阿蘇の草原には、多様な植物が季節ごとに花を咲かせ、人々の目を楽しませてくれています。



草原にたくさんの花が咲く一因として、昔から継続されている草刈り作業があります。背の高いススキ等を刈ることで、下に隠れていた他の植物にも光が届くようになり、花を咲かせることができるようです。

では実際のところ、草を刈ると植物の種類はどれくらい変化するのでしょうか?
・・・地元の農家さん達が、専門の先生方の協力を得て調べてみることになり、私も参加してきました。
草原と直に接している農家さん達の、「日ごろの草刈りなどの農作業が、草原の維持だけでなく多様な花を咲かせることにも寄与しているのかを知りたい」との思いが今回の調査のきっかけです。

調査は専門家でなくても取り組めるように簡易なものとし、先生方に植物を教わりつつ調査をしました。



背丈ほどに伸びた草原は風に大きくなびいて、船酔いならぬ草酔いをしそうでしたが、シライトソウ、タカトウダイ、ホソバシュロソウ、ヤマハギなど18種の野草をみることができました。



今回(8月)は草刈り前の調査とし、10月に草刈り、春に野焼きを行います。
このような管理が行われる草原では、いったいどれくらいの種類の野草を確認することができるでしょうか?来年の調査が今から楽しみです。