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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

高山植物保護パトロール 【くじゅう地域】

2012年09月07日
くじゅう
夏山シーズンも終わりを迎えようとしていますが、今年の夏もくじゅうには多くの登山者の方が訪れました。
夏は登山道沿いに花も多く、花を見ながらゆっくりと山歩きできるいい季節です。
そんな山登りを楽しませてくれる草花たちを保護し、登山者の方に高山植物保護の大切さを伝えるパトロールが行われました。

今年は8月10・17・24・31日に、林野庁大分西部森林管理署や玖珠警察署、九重の自然を守る会などと共同で実施しました。
◆パトロールのコースは以下のとおりです。
 8/10 老若男女問わずくじゅうで一番人気:牧ノ戸峠~久住山
 8/17 くじゅう連山を望む絶景!稜線歩き:牧ノ戸峠~黒岩山~泉水山
 8/24 森林浴と坊ガツル湿原で癒される:長者原~雨ケ池~坊ガツル
 8/31 くじゅうを代表する花の山:牧ノ戸峠~扇ヶ鼻
 


パトロールでは、すれ違う登山者に高山植物保護のしおりを配布しました。
みなさん快く受け取ってくださいました。



そして、傷んだ登山道の補修等も行いました。
 写真上>>>雨水で穴ができた箇所に石を詰める作業
 写真中>>>雨水を登山道から逃がす水道づくり
 写真下>>>外来植物アメリカセンダングサの駆除

作業中、登山者の方から「おつかれさま!」「ありがとう!」と声をかけられると、俄然やる気が出ます。

それでは、パトロール中に見つけた花を紹介します。



これからの季節を代表する花、雨ケ池(あまがいけ)の写真上・マツムシソウ(マツムシソウ科)と坊ガツル湿原のシラヒゲソウ(ユキノシタ科)です。どちらも芸術作品のように美しい形をしていて、初秋に登山道脇や草原などで見られます。

高山植物は標高の高い場所で自生する希少なものばかりです。
つまり限られた環境でしか育ちません。
決して「きれいだから庭に植えよう」と摘み取って持ち帰らないでください。抜き取った場所にもう一度生えるという可能性は限りなく低く、また子孫を残せないため、地域絶滅を招くことにつながります。

そして、毎年花を楽しみにくじゅうへ来られる方がたくさんいます。
これからも花を楽しめるよう、皆で高山植物を見守っていきましょう!