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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

坊ガツルの外来植物駆除活動 【くじゅう地域】

2012年08月28日
くじゅう
お盆が過ぎ、くじゅうは秋の気配が漂い始めました。
くじゅうの湿原では、シラヒゲソウやアケボノソウといった、秋の花々たちが咲き始めましたよ。

さて、8月9日(木)にくじゅう連山の坊ガツル湿原にて、九州電力大分支社の方や九重の自然を守る会などの皆さんと外来植物の駆除活動を行いました。

坊ガツルは、山岳地域に形成された日本最大級の中間湿原(湧水と雨水で維持される湿原)であり、国際的に重要な湿地としてラムサール条約に登録されています。
また、昭和53年のみんなの歌で、歌手の芹洋子さんが歌った「坊ガツル讃歌」の舞台になった場所でもおなじみです。

しかし、この湿原を取り巻く環境も変化し、近年では外来植物が侵入して毎年駆除活動をしていますが、なかなか減らない傾向にあります。

この日は、下の写真の3種、アメリカセンダングサなどを中心に抜き取り作業を行いました。



左上:アメリカセンダングサ(キク科)
右上:セイタカアワダチソウ(キク科)
下 :ヒメジョオン(キク科)
(くじゅうに来て外来植物の駆除に携わっていますが、問題となるのはキク科の植物ばかりです。種子をたくさんつけたり、種子が風にのったり、動物に付着したりして遠くまで運ぶべる特性があるからでしょうか。)

坊ガツルに侵入した外来植物の中でも、アメリカセンダングサは湿ったところを好むということで、特に近年増加傾向にあります。

◎アメリカセンダングサといってもよく分かんない...という方は、下の絵をご覧ください。



子どものころに「ひっつき虫」がズボンのすそにひっついてなかなか取れなかった経験ありませんか?
そうです、このV字型になっていて短毛がびっしりついているものが、アメリカセンダングサの種子です。
服はもちろん、動物の体に付着して種子を遠くに運ぶように出来ているんですよ。



今年は新たな駆除範囲を設けて作業を行ったこともあり、90リットルのゴミ袋25袋分の外来植物を抜き取りました。重さにして約250kg!!!
なんと昨年(重さ約140kg)と比べ、ほぼ倍近い結果となりました。

例年抜いている場所は減少傾向にあり、成果は出ていると思われますが、今年から抜き始めた箇所も併せて、地道に取り組んでいく必要がありそうです。

参加されたみなさん、おつかれさまでした!