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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

ヒゴタイと保護活動 【くじゅう地域】

2012年08月03日
くじゅう
くじゅうは朝から快晴!爽やかな風が吹いています。
保護官事務所は標高1,000mの場所にあり、13時の気温が28度と涼しいです。
事務所に当然エアコンはなく、網戸越しに入ってくる風が天然のクーラーです。

さて、くじゅうの夏も折り返しが過ぎ、夏の風物詩である「ヒゴタイ」の花が色づき始めました。ヒゴタイはキク科の植物で、野焼きなどの管理がなされた草原に多く生育しています。



ヒゴタイは、いまからおよそ15万年以上前、氷河期に中国・朝鮮半島と日本が陸続きになっていた頃に、日本に入ってきた植物と言われています。
それ以来、国内の草原が分布している地域で世代を重ねて来ました。今では草原自体が全国的に少なくなっていますが、草原が比較的多く残っている阿蘇くじゅう地域には生き残っています。

それでは、ヒゴタイの花が咲くまでを写真で見てみましょう!



1、トゲトゲがありますが、このひとつひとつがつぼみで、花になります。
  つまり、花がたくさん集まってボールのような球状の形になるんです。
  つぼみは緑色。花の色とずいぶん違うんですねぇ。
2、緑色から次第に紫色がかった色になってきました。
3、紫色に変身! 見た目通り触るとまさにチクチク、そして少しベトベトします。
4、ついに花が咲きました。トゲトゲしさがなくなり、柔らかくてやさしい感じになります。

さて、ヒゴタイの生態話が長くなりましたが、その希少なヒゴタイを保護し後世に残すため、7月28日(土)にくじゅう地区パークボランティアのみなさんが保護活動を行いました。

今回の保護活動では、鑑賞する観光客のみなさんにヒゴタイの希少さや保護の大切さを理解してもらえるよう、メッセージカードを作成しました。

何万年も世代をつないできた命。これからも守っていきたいですね。
ヒゴタイは、長者原ビジターセンターに隣接するタデ原湿原の木道等で観察できます。
お盆過ぎまで楽しめますよ~。ぜひ、生で見てみてください!