九州地域のアイコン

九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

登山道の補修作業を行いました 【くじゅう地域】

2012年07月19日
くじゅう
雨が多い今年の梅雨ですが、今日も雷鳴が轟く不安定なお天気です。
早く梅雨が明けて欲しいと願うばかりです。

さて、先週木曜日の12日に、泉水山(せんすいさん)の登山道整備を行いました。
今回は、九重・飯田高原観光協会の協力を得て、総勢13名で、ぬかるんで滑りやすい箇所を補修しました。



くじゅう連山の登山道の地表部は、「黒(くろ)ボク土」という、柔らかくてもろい土に覆われていて、踏圧や雨などで侵食されやすい特徴を持っています。
また、雨や雪など水分を吸いやすく、ドロドロの液状になるので、登山時にはコケないようにと、非常に神経をつかいます。



写真の黒ボク土は、火山から放出された火山灰由来のものです。
降り積もった火山灰の上に植物が生え、それが枯れた後に土中の微生物の働きでだんだん変化し、褐色~黒色の土へと変化します。そして、また火山灰がその上に降り積もって…という遷移を繰り返して現在に至り、くじゅうの地層を見ると、褐色の層と黒色の層をきれいに見ることができます。
(地層は主に登山道沿いで見られますが、地層展示のある長者原ビジターセンター http://kyushu.env.go.jp/nature/tyojyabaru/ では、くじゅうの大地の歴史を分かりやすく確認できます。)



作業当日は、雨の後で土が少しドロドロしていましたが、荒廃して斜面になっていた登山道に木板を設置して階段上に整備しました。
また、登山道に雨水が多く流れ込まないように、雨水の逃げ道である水道(みずみち)を掘って、登山道の浸食スピードを緩める対策もしました。

が、泉水山の登山道は荒廃が激しく、2年前に整備した箇所で壊れたものも多く見受けられました。
今回の工法が正しかったのかどうかなど、今後も見守りながら地道に補修をやっていくしかなさそうです。