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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

模様のナゾ 【くじゅう地域】

2012年05月16日
くじゅう
先日巡視で訪れた「姫島」の観音崎での出来事です。
あ、姫島といっても「くじゅうにそんなところあったっけ?」と思われる方もいるかもしれませんね。
しばし、姫島のご紹介を...。



姫島は、大分県北部の国東半島からフェリーで約20分ほどの瀬戸内海西端に浮かぶ離島です。
波で浸食を受けた奇岩断崖など、海岸部特有の素晴らしい自然景観が楽しめ、島の約半分が瀬戸内海国立公園に指定されています。
くじゅう自然保護官事務所は、くじゅう地域だけでなく、瀬戸内海国立公園の大分県地域についても、公園管理を行っています。
ちなみに、ニホンザルで有名な高崎山や神仏習合の仏の里として有名な国東半島の中心部も瀬戸内海国立公園に含まれています。

さて、前置きが長くなりましたが、さっそく観音崎で撮った下の写真をご覧ください。



これはツワブキという植物の葉っぱですが、にょろにょろにょろと線が縦横無尽に描かれています。
「いったい、誰の仕業なんだ?!」
と思っていたら、佐保レンジャーが、
「これは虫が食べた後だよ。」と教えてくれました。

事務所に戻って調べてみると、これは通称「ハモグリムシ(葉潜り虫)」という虫たちによるものだとか。
代表的なものには、ハモグリバエやハモグリガなどが挙げられるようです。
でも、どうやってこの模様が描かれているんでしょうか?
どこが始まりで終わりか分かりますか?



成虫が葉に卵を産みつけたあと、孵化した幼虫は葉の中へ潜入し、ムシャムシャと葉の肉を食べながら進み、成長していくので、このような跡がつくそうです。
よーくみると、線がだんだん太くなっていっているのが分かりますね。
写真の葉っぱでは、線は葉の端まで到達しておらず、脱出した気配がないので、まだ幼虫は葉の中で成長途中なのでしょう。

今回は、残念ながら幼虫の姿をとらえられませんでした。
もっと鋭い観察眼が必要ですね。