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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

由布岳山麓の野焼き 【くじゅう地域】

2012年03月15日
くじゅう
最近すっかり春めいてきました。
くじゅうの山々の春の使者、マンサクの花も咲き始めましたよ!


▲坊ガツル湿原にて、3月13日(火)撮影。

さて、くじゅうの四季を表す言葉に「春は黒なり」というものがあります。
それは、野焼きによって、山々や山麓草原がまるで黒い衣装へと衣替えしたようになるからです。

3月14日(水)、温泉地・湯布院のシンボルでもある由布岳山麓周辺で、野焼きが行われました。


上:由布岳(奥)と野焼き前の飯盛ヶ城(いもりがじょう)
下:晴れて乾燥した、絶好の野焼き日和

1枚目の写真でも分かりますが、由布岳山麓には、別府と阿蘇を結ぶ九州を代表するドライブコース、やまなみハイウェイが走っています。

その道路際からも火を入れるため、スレスレを車が走り抜けていきます。



そして、約4時間で山麓は真っ黒になりました。
辺りには香ばしい薫りが立ち込めていました。

あと2カ月もすれば、ここは鮮やかな緑色に輝く、生きものたちの生命力に満ちた草原に変化します。

この景観と生態系が保たれているのも、地元の牧野組合やボランティアの方々の努力があってこそ。

くじゅう連山周辺でも、久住高原で野焼きが始まり、飯田高原ではこれから野焼きの時期を迎えます。

今年も安全に野焼きが終わり、爽やかな初夏が来ることを祈るだけです。