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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

花ぼうろを求めて 【雲仙地域】

2012年01月18日
雲仙
1月13日(金)の朝、冷えるな~と思ったら雲仙温泉街一帯はうっすら雪化粧。まだ霧氷を間近で見た事がない私は、これは期待できると思い、登山道の巡視と登山者カウンターのデータ回収を兼ねて、霧氷の観察ポイントとして知られている妙見岳方面へ出かけました。
仁田循環線は雪で通行止めとなっていたため、麓にある池の原からの登山となりましたが、日が高くなり気温が上昇するにつれ、積もっていた雪がみるみる溶けていきます。それでも、妙見岳の尾根部に出ると、ようやく霧氷が目につくようになってきました。目的達成です!!


妙見展望台から妙見岳山頂方面

霧氷は地元で「花ぼうろ」と呼ばれ、親しまれています。
気温が氷点下のときに、過冷却水滴や水蒸気が物に衝突し、その衝撃で凍結してできるのだそうです。ですから、霧氷は風上に向かって発達します。
写真では枝の左奥に向かって霧氷が伸びており、また、山頂から手前側の斜面にはほとんど霧氷が付いていない事から、左奥方向(北西)から風が吹いていた事が読み取れます。


上:妙見神社  下:シシウドに付いた霧氷

妙見神社も、いつも以上に神秘的な雰囲気でした。また、シシウドの枯れた花房には写真のような霧氷が付いており、目を楽しませてくれます。

妙見神社の脇にある登山者カウンターのデータを回収し、国見別れまで霧氷のトンネルを楽しみながら、紅葉茶屋方面へとゆっくり下ります。ここまで来ると、もう霧氷は見られなくなりました。
登山道に問題が無いかチェックしながら、あざみ谷へと向かいます。


上:あざみ谷の水場  下:動物たちの足跡

春から秋にかけて野鳥たちで賑わっていたあざみ谷の水場は、氷雪に覆われており、とても使える状態ではありません。それでもよく見ると、水場の上に積もった雪には、鳥や獣の足跡が沢山ありました。ここに水があるという事を動物たちは覚えていて、水を求めて来たのかもしれません。

冬の雲仙は道路が通行止めやチェーン・スノータイヤ規制になる事も多く、また、花や昆虫などが見られないため少し寂しげですが、ちょっと頑張って登山すれば、上で書いたように他の季節では味わえない楽しみ方ができます。
皆さんも充分な装備と登山計画で、冬の雲仙を楽しんでみませんか?