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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

雨ケ池での登山道補修作業・続編 【くじゅう地域】

2011年10月26日
くじゅう
くじゅう連山の紅葉も山頂から麓の方へ下りてきました。


三俣山(みまたやま)の紅葉(10月22日撮影)

そんな紅葉を愛でながら、10月22日(土)にパークボランティアの皆さんと長者原(ちょうじゃばる)~坊ガツル間にある雨ケ池(あまがいけ)にて、登山道の補修作業を行いました。

雨ケ池では前にもお伝えしたとおり、登山道の浸食が激しく、今年度より本格的にボランティアの方々と、植生回復のための継続的な補修作業を行っています(9月21日、7月4日の記事ご参照)。



当日は、作業前に山本レンジャーによる登山道補修講習があり、その後、現地で土嚢積み作業を行いました。

流れてしまった土を土嚢袋へ入れ、口を縛って運び、元の場所に積む。
単純な作業ですが、前日に雨が降ったこともあって土嚢袋は重く、結構な重労働。運ぶ時には足元がグチュグチュで、いまに滑らないかとヒヤヒヤしました。
そんな状況の中で、作業中に熊本からいらっしゃった心強い登山者の方が協力してくれました(写真右下)。ありがとうございました!


登山道は人が歩けば地面が固められて、雨を吸収する力が弱まります。
そこにできた水たまりを登山者が歩いたり、雨水の流れ道になれば、登山道は荒れていきます。
また、水たまりを避けようと別の場所を歩き始めると、もう一本登山道が増えて、そこから登山道の拡幅がはじまり、植生が消失するということも懸念されます。

つまり、いまある必要最小限の登山道を補修して利用することが、持続可能な登山道利用につながるはずです。



したがって補修を行う上では、上の写真にある右側の箇所のように、雨水の流れを弱めて浸食速度を落とし、土砂の堆積を促していくことが大切です。
また、下の写真では3段に渡って土嚢を積みました。
ここは雨天時に滝のように雨水が流れ落ちる箇所であるため、今回の作業でどれほど効果があるのかを今後も観察していきたいと思います。

パークボランティアのみなさん、小雨の降る中、お疲れさまでした!