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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

オオハンゴンソウの駆除活動を行いました 【くじゅう地域】

2011年08月24日
くじゅう
今や、全国の湿原などで勢力を拡大中の外来植物・オオハンゴンソウ。
他の植物を駆逐し、生態系に与える影響が大きいため、外来生物法で「特定外来生物」に指定されており、駆除活動が盛んに行われています。


オオハンゴンソウの花。すらっとした立ち姿と大きめな黄色の花が特徴。

そして現在、くじゅうのタデ原湿原・長者原地区もオオハンゴンソウの脅威にさらされています。
8月22日(月)、九重の自然を守る会と地元の九重・飯田高原観光協会の主催で、玖珠農業高校のみなさんにも協力していただき、総勢33名でタデ原・長者原周辺において、オオハンゴンソウを中心に外来植物の引き抜き作業を行いました。


タデ原湿原に形成された群落。手前に花がありますが、奥の低木林にかけては花が落ち、種子を蓄えたものがびっしりと群生しています。(写真:ビジターセンター種村氏提供)


オオハンゴンソウの駆除活動は、数年前から毎年行っていますが、なかなか数が減りません。それは、種子と地下茎で増殖することと、強靭な生命力にあります。
なんと、根の破片が数グラム地中に残っているだけで、そこから再生してしまうのです。実にやっかいです。
したがって、参加者のみなさんもスコップやショベルで根を切らないように、丁寧に抜き取り作業を行っていました。
ただ引き抜くだけならまだしも、このように1株1株地道に引き抜いていくのは、時間もかかるし、根気もいります。
当日の作業では、すべてのオオハンゴンソウを駆除することはできませんでした。


今回引き抜いたものは量も多かったため、ビニールで包み込み、蒸し殺しの処理をしました。(写真:ビジターセンター種村氏提供)

活動を終えて…

オオハンゴンソウと初めて向き合った今年。想定外の生命力を肌で感じた活動になりました。来年はもう少し早く、また、他の方法を考えながら対策を練って取り組む必要があると感じました。


※特定外来生物については、外来生物法で栽培、運搬等の規制があります。詳しくは、環境省ホームページ「外来生物法」をご覧ください。http://www.env.go.jp/nature/intro/